内容説明
株価が上昇し、日本経済にもようやく春風が吹いてきた感がある。しかし、この景気回復を素直には喜べない。その背後では未曽有の規模の円売り・ドル買いが行われ、異例の超金融緩和の「出口」は塞がれたままなのである。ドルの信認が低下しているのに、円がドルを支える構造は変わらず、さらに深まっている。その先にはとんでもない結末が待っているのかもしれない。なぜ日本はこのようになってしまったのか。本書では、BIS規制、時価会計などから株価が崩壊し、大規模介入に至る過程を検証し、日本の「敗け続ける構造」からの脱却を訴える。
目次
第1章 新局面
第2章 リスクとしての「アメリカ」
第3章 資産デフレの罠
第4章 余地狭まる経済政策
第5章 失われた二十年の顛末
第6章 アジアへの視点
著者等紹介
吉川元忠[キッカワモトタダ]
1934年兵庫県に生まれる。58年、東京大学法学部を卒業し、日本興業銀行に入行。産業調査部副部長などを歴任した後、コロンビア大学客員研究員を経て、現在、神奈川大学経済学部教授
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