内容説明
年金改革や地方分権の推進など、これまでより「小さな政府」論が脚光を浴びつつある。だがその実現のためには国の財政改革を進めておかなければならないが、国と地方合わせて六六六兆円という世界最高の負債を返済するにしても、頼みの綱は結局は国民の税金だ。税金を取り巻く環境が大きく変わろうとしている今、我が国の「失われた一〇年」をもたらした税制を、豊富な諸外国のデータと比較検討し、市民の側からもう一度見直す税金の基礎知識。
目次
序章 欧米は減税ラッシュ
第1章 日本の所得税最高税率は世界一
第2章 源泉徴収制度は「納税愚民」育成策
第3章 見かけは低い日本の消費税
第4章 法人税、相続税も世界一
第5章 進まない財源の地方移譲
第6章 未来の税金を算出すれば
第7章 日本の「失われた一〇年」
第8章 財政構造改革の展望
著者等紹介
平野拓也[ヒラノタクヤ]
1935年大阪市生まれ。府立豊中高校を卒業後、大阪税関に勤務。以後、同税関の輸出入業務、官房などを担当。1993年には大阪外国語大学2部フランス語科を卒業。税関相談官を最後に、1995年に退職。以後、徴税する立場の経験を生かしながら、納税者・消費者の視点に立って執筆活動に専念。著書に『貿易革命』(白桃書房)、『納税改革』(同文書院)、『酷税・驚愕のしくみ』(小学館文庫)、『日本の消費税はここがまちがい』(毎日新聞社)など
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感想・レビュー
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えちぜんや よーた
18
印象に残った個所→第2章源泉徴収制度は納税愚民育成策。といっても国民全員が確定申告になったらエライことやなぁ。むずかしいところですね。2012/08/12
佐島楓
17
数字の羅列が多いので、もっと図表を入れて工夫していただきたかった。もう少し個人的な情報がほしかったので、内容も違い残念だった。2014/07/21
takao
1
ふむ2024/12/26
Naota_t
1
内容は、現在の税制を世界の制度と比較検討し、再度見つめなおしたもの。 何かの本で景気回復には公共事業がよいって内容を読んで、「確かに…」と思っていたけれど、実際にGDPは向上せず残された借金は六六六兆円にのぼる。 その積極財政の大本が借金で賄われており、ミクロ経済が回復したとしても、マクロでみれば、借金を重ねて子孫世代にツケを回しているに過ぎない。 世界諸国との税制比較がとても多く、多角的に日本の税制を俯瞰できる。 総花的にバッシングしているようにも思うが…資料が多く勉強にはなります。 2014/05/04
KJ
1
10年以上前に書かれた本だが、現在でも学ぶべき知見が多くあった。裏を返せば、10以上前の本がリアルに参考になるということは、今が当時に比べて変化していないということだろう。財政危機の問題は、今に始まった事ではなく、10年前にもあった。やるべきことをやらずに国民に負担を強いるのも、世論迎合で解決を先送りするのもどちらも良くない。納得感さえあれば負担には耐えられるものだ。特にラストに書かれていた未来予測。フィクションであって良かったと思うほど、生々しかった。ただこれがいつまでフィクションでいられるだろうか…。2012/06/17
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