内容説明
政策や理念の異なる政党どうしの連立・離散や、女子高性の「援助交際」と称した売春…、日本人のこの無節操ぶりはどこからくるのか?振り返れば、「あの憎き鬼畜米英」を呼号した国民が敗戦後すぐにはもう「マッカーサーの子どもを産みたい」とまでの豹変ぶりを示した。本書では、日本人は他国民のように行動原理を持つ必要なく今までやってこられた「情緒原理主義者」であると分析。その上で、今後の日本にとって重要な国家戦略のあり方を提示する。
目次
第1章 日本人は情緒原理主義者である―原理論
第2章 あいまい思考と「わが心の内なる村八分」―認知論
第3章 「和」と葛藤回避社会の深層―社会論
第4章 「未熟な甘え」がジコチュー人間を生んだ―「甘え」論
第5章 情緒原理主義はフィードバック機能が欠如している―比較文明論
第6章 「自他への懐疑精神を伴った行動原理主義者」への道―戦略論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
54
突然政治的発言をする芸能人にどういう動機があったのか興味があります。 街頭に立たず政治に物申すデモンストレーションの手法としてTwitterのハッシュタグが使われます。著名人をオピニオンリーダーとして受け止めるかどうかはそれを見る人次第ですが、どこまで強い意思や知識を持って訴えているのかは本人しかわかりません。 「反安倍」で有名なラサール石井さんは、あれだけ政府を批判しておきながら、特別給付金の申請をしたと聞きました。 給付金の使途にもよりますが、あまり節操があるようには思えません。
さくら
0
言い回しが過激だなあと思った。ひたすら日本の情緒原理主義を叩き、欧米の行動原理主義がどれほどいいかを示していくスタイル。と思ったら最後の最後にガラッとテイストが変わる。なんだこれ。納得したけど。ほかの著者による関連書籍を読まないことには評価のしようがない……2016/07/06
かみかみ
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評価:★★★★ 「鬼畜米英」をスローガンとしていた日本人が、敗戦後「マッカーサーの子供を産みたい」とまで言動を反転させたことに代表される無節操さを「情緒原理主義」の観点から論じる。情緒原理主義の問題点として、自由と自分勝手の混同、権威主義、フィードバック機能の欠如、といったことを指摘したことに納得。2014/01/17