出版社内容情報
オリンポスの神々が丸裸の履歴書など、教科書では知りえない古代ギリシャ、神話と暮らしのリアルを、類を見ない濃度で語りつくす。
内容説明
古代ギリシャではなぜ血液を「緑色」と表現するのか。なぜ「海」という単語がなかったのか。なぜ最高神ゼウスが「浮気性」なのか。学校でも本でも知り得なかったギリシャ神話の神々と古代ギリシャの人々。オリンポス十二神履歴書付き。
目次
第1章 「古代ギリシャ」の復元(漂白されたギリシャ;「ギリシャ史」1000年の空白を超えて)
第2章 ギリシャ神話の世界(ギリシャ神話のリアル;オリンポス十二神とその履歴書;神々の終焉からの世界)
第3章 古代ギリシャ人のメンタリティ(労働観と人間性;時間感覚と宗教観;愛と病、そして死と永遠)
著者等紹介
藤村シシン[フジムラシシン]
作家、古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。1984年生まれ。東京女子大学大学院博士前期課程修了、史学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
151
おもしろかった。古代ギリシャについて現代に生きる私達が抱くイメージと乖離する、実際の古代ギリシャの世界をちょっと砕けた文体でわかりやすく教えてくれる一冊。たとえば、白亜の神殿として知られるパルテノン神殿は実は極彩色で彩られていた、、とか。写真なども多くて工夫が凝らされているんだけど、惜しむらくは、本文が一色刷りなので、いまいちそのあたりがわかりにくい点。予算上の都合だろうか。2020/04/19
kazi
83
読書家の皆様、神慮めでたく!TBSラジオ番組「ウィークエンド・シャッフル」でのトークを拝聴して以来、藤村シシン先生の大ファンです。この本の著者である藤村先生は自分の好きなことに対してまっすぐに突き進む姿勢がとにかく素晴らしいんです。アカデミックになり過ぎない著者のどことなく「ぼんくら」(いい意味で!(^▽^;))な人となりが、書面から伝わってきていい感じです。お堅いギリシャの研究家というより、とんでもない「古代ギリシャおたく」(ものすごくいい意味で!)って感じ。内容的にはギリシャ史に関して何も知らない、2020/09/01
肉尊
72
ゲーム散歩でお馴染みの藤村シシンさんの本をついに読むことができました!ギリシア神話は面白いとは思うけど複雑すぎてついていけない部分があったけど、そんな迷いも吹き飛ぶほどエネルギッシュで絶妙な例えが興味を唆ります。まるで見てきたかのように話す、とよく言われるそうですが、逸話を1つ1つ丁寧に出典をあげてますから、研究したい人にもオススメ。まだご存知のない方はこちらから。 【アサクリでギリシャ観光#06】 https://www.youtube.com/watch?v=V3ODrWsRuig2021/12/25
コットン
68
ジョンさんのオススメ本。ギリシャの神々を掘り下げて語っている。アフロディア(ヴィーナス)の人間の男アンキセスとの一夜が面白い。2019/05/05
HMax
47
腐女子?が語る、オリンポス十二神の履歴書を中心に進む驚きの古代ギリシャの事実の数々。「碧い海、青い空、白い神殿」、この白、実は18世紀半ばからのギリシャブームで西欧の人々が崇高な白になるように削ったためだそうで、「白亜の白人の古代ギリシャ」自身が捏造の可能性もあるそうで、すっかり騙されていました。そもそも古代ギリシャが完全に滅び、紀元前2世紀頃にローマの支配下に入って以降は自分達をロマイオイ(ローマ人)と称し、ヘレネス(ギリシャ人)という言葉は野蛮人を指す言葉へ変わったというのは寂しい気がします。2020/07/12