内容説明
トーキーの誕生から60年。銀幕に登場する女たちのイメージはどのように視覚化されてきたのだろうか。断髪洋装のモダンガール、運命の女ファム・ファタール、恋する娼婦、たくましい中年女、けなげな主婦、孤独なインテリ女、パワー爆発の老女。「動く絵」の中で生き生きと躍動する彼女たちの姿は精気の輝きを放っている。1920年代から高齢化社会を迎えた現代まで、日本とアメリカの異なる文化と風土を鋭く見すえながら、スクリーンに描かれた女たちのイメージの変遷を探る斬新な日本映画論。
目次
序章 動く絵のなかの女
1章 和服を着たモダンガール
2章 ファム・ファタールがいない国
3章 娼婦のロマンス
4章 中年女は負けない
5章 マンションに入居した主婦
6章 笑うインテリ女
7章 老女のパワー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
1
映画をナラティブなものとしてではなく、マテリアルとして捉えた時に見えてくるもの。日本シネマとあるが、海外(特にアメリカ)の作品との比較も多く出てくる。『ハロルドとモード』と『大誘拐』の老女の描き方の違いが顕著だけど、この本で一貫しているのは、逆転ということ。モダンガールと和服の日本的女性の逆転とか、老女と青年の立場の逆転とか。それが視覚的に(つまりマテリアルとして)どのように描かれたかを考察したものだ。2012/07/29
rui_hua_
0
カテゴリ別で女を分析していて面白い。2023/06/12
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