内容説明
女の性(ジェンダー)がまだ公‐私のあわいに存在していた明治二十年代、「妹の力」ならぬ「姉の力」を体現しつつ、メディアの海に船出した、ひとりの娘の「起源の物語」。
目次
1 文字・女性・身体
2 ジェンダーの明治
3 一葉と職業女性たち
4 筆もつ女へ
5 姉の力
6 一葉的世界のゆくえ
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorgeanalogue
9
前田愛を継ぐ、90年代的フェミニズム的、読者論、社会関係論的一葉論といっていいか。「書くこと」の不可逆な変化に着目した画期的な近代文学論でもある。タイトルの「姉の力」はもうひとつ主題としてせりあがってこない、というかなんか弱く感じる。閨秀作家とか、文芸誌のグラビアなども取り上げられているが、フェミニズム的問題とメディア論的問題の絡みがもっとダイナミックになっていたらよかった…のかな。メディアと心的動機をつなぐ、書くことその端的な現れ、カギは「書簡」ではないかと思うんだな。2025/05/20
双海(ふたみ)
7
女の性(ジェンダー)がまだ公私のあわいに存在していた明治20年代、「妹の力」(柳田國男)ならぬ「姉の力」を体現しつつ、メディアの海に船出した、ひとりの娘の起源の物語。女性・職業・作家という視点からの樋口一葉考。2023/03/14
はなびや
0
歩く人という視点がおもしろかった2016/09/03