出版社内容情報
話題の個人全訳全集! 「イングランド史上最悪」と評される弱き王と個性的な周囲の人物が織りなす混迷の初期歴史劇。解説 中野春夫
内容説明
偉大な父ヘンリー二世と勇猛な兄から王位を継いだ末子ジョン。フランスと戦うか、和睦か。王位継承者である甥を生かすか、殺すか。ローマ法王と対立か、和解か。悩み、考え抜いた決断はすべて裏目に出て、混乱は深まる。「イングランド史上最悪」と評される弱き王と、その強い母、歯に衣着せぬ「私生児」、兄の未亡人ら個性的な人物たちが織りなす、歴史劇。
著者等紹介
シェイクスピア,W.[シェイクスピア,W.] [Shakespeare,William]
1564‐1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ37編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている
松岡和子[マツオカカズコ]
1942年、旧満州新京生まれ。東京女子大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家・演劇評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
84
久しぶりのシェイクスピア。登場人物が多く把握するのは難しかったですが、様々な汚い言葉が飛び交い、松岡和子さんが中間的な言葉を種類多く使い分けます。言葉に力がある作品です。解説で中野春夫さんが、シェイクスピアの戯曲の言葉はチャントである、と言って、私もハッとしました。私はサッカーのそれほど詳しいわけではないですが、5年間くらいイングランドプレミアリーグを英語で観戦し、スタジアムの観客がチャント(応援歌)を合唱しているのを聞きました。まあ、替え歌や笑える歌詞なのですが、イングランドのサッカー文化がわかりました2022/08/17
優希
66
「イギリス史上最悪」と言われたジョン王の物語です。悪評のある弱い王、強い母、歯に衣着せぬ「私生児」が織りなす物語は、ある決断をすれば裏目に出るのが面白かったです。やることなすこと混乱が深まることで事実が好転しないのが可笑しくてたまりません。喜劇ではないはずなのに。2020/07/08
南北
59
シェークスピアの歴史劇。ジョン王の決断は裏目に出て転落の道をたどることになる。ジョン王を取り囲む人物は皆、弁が立ち、ああ言えばこう言うタイプの人物である。中でもジョン王の兄リチャード1世の私生児が悪態をつき続ける様子は面白かった。最後にはフランス領を失ったことでイングランドの結束が強化される様子を高らかに宣言するが、当時の観客の気持ちをうまく代弁していると言える。2021/07/16
Gotoran
58
シェイクスピア初期の歴史劇。父のヘンリー二世が築き、兄の獅子心王リチャード一世から継いだ広大な領土のうち、ノルマンディをフランスに奪われ、ローマ教皇に反抗し破門され、その代償にイングランドを教皇に献上、改めて封土として受領、踏んだり蹴ったりのイングランド史上最悪の君子ジョン王。王位争い、自己中心、口八丁手八丁、寝返り、寝返りの寝返り、児童虐待、暗殺、暴力、戦争・・・引き立て役の強気の母皇太后エリナーと故リチャードの私生児フィリップの歯に衣着せぬ言動が痛快だった。2021/02/22
Die-Go
40
図書館本。戯曲。同じシェイクスピアでも、『リア王』に比べ、読みにくさを感じてしまった。途中離脱。★★☆☆☆2024/03/02
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