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内容説明
日本人は死後の世界をどのように想い描いたか。どんな旅をしていたか。その交通事情は?〈行列〉や坐り方から何が見えるか。洛中洛外図屏風や絵巻だけでなく、肖像画や絵図・曼荼羅なども歴史の謎を解くカギになる。これらを読み解き、画像に込められた歴史情報から、新しい日本史像を描く。
目次
絵画史料とその読み方
鬼と外交―『吉備大臣入唐絵巻』1
末法の予言詩―『吉備大臣入唐絵巻』2
旅と信仰―『一遍聖絵』1
交通と軍事―『一遍聖絵』2
聖地を象徴する動物―『一遍聖絵』3
人と動物の関係史―『伊勢物語絵巻』・『慕帰絵詞』
肖像画と歴史―神護寺三像1
「対」になる肖像画―神護寺三像2
坐法の文化―初期洛中洛外図屏風
行列と御所の櫓―林原美術館本洛中外図屏風
曼荼羅の宇宙―『熊野観心十界茶羅』1
盂蘭盆会と民衆の人生―『熊野観心十界茶羅』2
著者等紹介
黒田日出男[クロダヒデオ]
1943年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
34
文献だけでは分からないことが、絵画ならば分かる。何気なく描いたことが意外に重要なのかも。2018/09/08
がんぞ
1
文献史料はあとから改竄、正当化の疑いがあるが(絵巻物も編集の疑いがあるが)、絵は描くのに手間がかかるだけに嘘がつきにくい。“鬼”を「おに」と読み外国人のイメージなのは『吉備大臣入唐絵巻』からではないかとか。日本史は史料が多くて次々と新解釈が発表される。信長が上杉謙信に献上したのを皮切りに流行した洛中洛外図など生活史の宝庫、16世紀に鎌倉時代になかった正座が正式になっていたとは。時代を離れて制作される肖像画は元ネタ伝来があって、それを理想化。最後の「釈迦涅槃図にある母子は目蓮の少年時代の姿ではないか」に感動2014/08/14
naoto
1
日本史だけなところが残念だけど、面白かった。源頼朝像が違うと言われてる理由もわかったし、最後の曼荼羅も細かくて面白い。ちょっとブリューゲルチックだなぁ、なんて思ったり。船橋って、因幡の白兎が渡った、ワニの橋みたいなんだね。2014/04/07
かもの
0
絵画史料を通しての研究。源頼朝像とされてきた定説を覆す根拠など。文体が読みやすく、歴史に詳しくなくても分かりやすい。2017/06/29
sai
0
描かれた当時の社会背景や生活様式、信仰によるメッセージなどを読み取っていくことの面白さに少しだけど気づいた…2014/05/26