内容説明
戦争は遠い世界のもの?“暴力”が生み出されるメカニズムを探る。
目次
1章 平和学とは
2章 冷戦期―「核による平和」?
3章 第三世界の軍事化がなぜ進んだか
4章 アイデンティティをめぐる紛争
5章 構造的暴力とは
6章 開発至上主義を超えて
7章 インドとパキスタンの核実験をめぐって
8章 コソボ―人道の名のもとに行われた戦争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き
6
大学で平和学を講じていた著者が志半ばでまとめ切れなかった本を、教え子や遺族が著者の講義録などを下にまとめた遺著に当たる本。内容は多少荒削りで講義風だけど、そのため却って読みやすくなっている。執筆が99年末頃の冷戦終結後の世界状勢を下にしているため、内容的にはいささか旧さを感じさせるものの、今でも十分参考になる内容だ。特にユーゴ紛争に触れて、国際社会は最悪のタイミングで介入する、当事者同士徹底的に闘わせた方がよいというのは、国際情勢の専門家からは時々聞かれる意見だが、究極のリアリズムだと感じさせられる。2015/06/25
佐守
2
綺麗ごとばかりを訴えている内容のないものではなく、きちんと紛争のメカニズムを分析したうえで私たちにこれからどうしていけばいいかを提言している。2010/07/07
とも
2
平和学の講義で学んだ構造的暴力、Peacelessnessなど、平和学の基礎を分かりやすくまとめてあって、知識の整理に役立つ一冊。ガルトゥングの理論を再確認しようと思う。第三世界の軍事化に関しても再認識できた。ケーススタディのODAに関して述べられた部分は、今私が興味を持っている援助のあり方に関連していて興味深かった。私は地域紛争に関しての知識が不十分だと実感。2010/05/12
燐寸法師(Twitter @matchmonk)
1
昨年の今頃読んでたものを再読。平和学の潮流って今どうなってるんだろうな。ガルトゥング・モデルとか、さすがにちょっと古すぎるような印象があるけど。2021/08/15
annie
1
人道的介入について、結局は誰かの正義を振りかざすことになるということは難しいことだなと思う。2010/12/15