内容説明
非常識とは。下品とは。そもそも不快って何?タブーって、いったい―。闘うエロライターは考えた。公序良俗を声高に叫び、権力を振りかざして他人の自由を奪う。そして、いざとなると「常識」で頬被りして無責任を決めこむ。そんな「偽善者」たちに贈る、ウゲーッとなること確実な、ぐろぐろエッセー集。世間にはびこる矛盾を嗤い、おバカな鉄槌を下す。
目次
連載タイトルについて
謝罪と反省
インド料理屋にて
平賀源内と屁
皮膚病図鑑
人の死と動物の死
セックス見物屋
臨床的獣姦学入門
タレ物語
尿道炎とともに生きる〔ほか〕
著者等紹介
松沢呉一[マツザワクレイチ]
1958年生まれ。音楽から宗教、著作権まで何でもこなせる器用なライターのはずだったが、いつからか性風俗関係の仕事ばかりのライターに
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
61
ちくま文庫なので、ある意味では崇高にグロを極めているのかと思ったら、とにかく気持ち悪いをかき集めたエッセイ。世の中には色んな考えや嗜好や癖をもっている人がいて、それを認めて受け入れることはとても大切なこと、なーんて考えは吹っ飛んだ。糞便、吐しゃ物、湧いた虫、、、こんなの受け入れられるか!。売買春は誰にも迷惑をかけないからまだまし、、、違うだろ!。糞尿、吐しゃ物、血、虫、こういったものに耐性のある方はどうぞ。2017/10/20
Aster
50
昨今の若者は(もちろん自分も含めてだが)性癖について語りたがらないし、あっても寝取りだのふたなりだの人妻だの中学生のような性癖で性的倒錯者ぶろうとするものが多い。スカトロやスカルファックでオナニーしたことすらない人間が何を言っているのか。毎日毎日オーソドックスなものでしかオナニー出来ない奴はトイレや自分の部屋に監視カメラがついているのか?それとも半端なキリスト教徒なのか?そう疑われても仕方ないでしょう。こういう本がキワモノとして扱われなくなる時代がいつか来るのだろうか。2020/04/17
きょちょ
26
本屋をブラブラしていて、何となくタイトルと帯に惹かれて購入。 原題は「アナルは負けず嫌い」というだけあってそういった類のエッセイがほとんどだった。 自分自身を「まとも」だと主張したいわけではないけれど(主張している、^^:)、生涯において絶対経験したくないことばかり(笑)。 気持ち悪いんだが馬鹿笑いできる個所もある。 世の中には本当にいろいろな人がいるもんだ。 人に迷惑をかけなければお好きにどうぞってこと。 需要と供給がしっかりあるのもすごいね。 外食に関しては「安かろう悪かろう」を改めて感じた。 ★★★2017/10/19
猫丸
17
不快とは何か?結局何周かしてワケがわからなくなってしまう本。生理的感覚に普遍性を仮想することがいかに無茶な思想であるか、を思い知ることができる。私の快は必然的にあなたの不快なのだ。そこでの唯一の倫理は、強要しないこと。快も不快も、だ。本人がいいというなら放っておくのが礼儀。にもかかわらずアンテナにかかった不謹慎を糾弾せずにいられない病の人は、ちゃんと本書著者へ抗議して返り討ちにあうこと。さて著者の文章はたぶん上手い。いろいろ参考になるレトリックもあった。題材が題材なだけに文章力などは霞んでしまっているが。2019/03/16
ハイランド
10
食事中の方は読まない方が良い。潔癖性の人、下品なモノは嫌いという人にもお勧めしない。書いてある内容がSM、スカトロ、ゴキブリ、身体改造といった変態関連の話ばっかりだから。本人の体験談というより、聞いた話、見た話、読者投稿だから、間接的であるにもかかわらず、そこは作者の筆力か、目の前で展開されているような臨場感があるのだ。思わず怖気が走りますね。五感のうち、気持ち悪さに耐えられないと思う順番は、嗅覚→触覚→味覚→聴覚→視覚の順番だなあと、この本を読んで思った次第。ああ、つくづくノーマルでよかった。2014/08/29