ちくま文庫<br> 水滸伝の世界

ちくま文庫
水滸伝の世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480036865
  • NDC分類 923.5
  • Cコード C0195

内容説明

豪傑108人が痛快にあばれまわるものがたり、水滸伝。梁山泊の総大将がなんとも情けない男なのはなぜか。英雄は色を好むのか。みごとに描きわけられた殺人のタイプとは。さまざまな顔をもつ女傑の魅力は―。水滸伝のおもしろさ、それをめぐることがらの広さと深さへ誘う、希代の本読みによる案内書。

目次

豪傑たちのものがたり
総大将宋江
副将盧俊義
英雄色を好む?
人の殺しかたについて
李俊のばあい
女傑たち
人を食った話
武松の十回
講釈から芝居まで
誰が水滸伝を書いたのか?
遼国征討
一番いいテキスト
「天都外臣」とは誰ぞや?
水滸伝をチョン切った男
中国で出ている水滸伝いろいろ
豪傑たちのアダ名

著者等紹介

高島俊男[タカシマトシオ]
1937年、兵庫県相生うまれ。東京大学大学院修了。専攻中国文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヨーイチ

26
初独時にはなんとも呆気ないコメントで済ませている。三国志(演義)と並ぶ人気の中国古典、水滸伝。原書に興味を持ったらその道標に最適、最高の本。後書きに「(趣意)水滸伝は三国演義と違って中国古典の最高峰である」と述べている。高島俊男によれば、水滸伝は白話文学つまり大衆的な会話の描写?(正確じゃなかったらごめんなさい)において一級品の古典らしい。中国古典を読めない者にとっては素直に信じるしかあるまい。更に三国志が結構ブームになっている事にも驚いている、続く2016/06/15

kokada_jnet

20
高島先生が『本が好き、悪口言うのはもっと好き』でメジャー化するのが1995年。そのかなり以前である1987年に単行本が出ているのだが、本質をわかり易く説明する手法は、既に完成されている。Wikipediaによると、丸谷才一や野田昌宏が単行本刊行時に絶賛したとのこと。2017/01/22

金目

11
実に面白かった。水滸伝の魅力を知り尽くした作者に、きちんと面白い部分と何故面白いかを説明してもらった感じ。そーか物語じゃなくて、本当は語り芸として楽しむものなんですね。講談にしなきゃ(使命感)取り敢えず潘金蓮が意外と味わい深い女であることや、宋江が救いがたいクズであることは再認識できた。今後も座右にしていきたい2014/12/28

in medio tutissimus ibis.

6
途中までの文章は素晴らしいが後半になると精彩を欠くだとか、酸鼻を極めた殺人描写に気持ちが悪く成っただとか、そういうダメ出しをしつつも、そういうところで投げ出さないどころか立派な研究をしてしまうのだから著者の愛は並々ならぬものがある。筋立ての方は成立の経緯や異本の比較を見ても面白そうには思えないのは残念だが、本場中国人も70回で終わらせて顧みないのだから、仕方あるまい。とりあえず著者一押しの「西門慶・潘金蓮殺し」にはいつか目を通そうと思う。2018/05/15

kenitirokikuti

5
渡辺直己『日本小説批評の起源』の書評(毎日新聞)が水滸伝に言及しており、これを読んでみた。「十五 水滸伝をチョン切った男」がそこで論じられてた事柄だ。金聖嘆は明末清初の奇矯な文人で、水滸伝を史記や杜甫の詩と同列に扱い、それのみならず水滸伝を改作・批評を行ったのだ(改竄した箇所に注を入れてここが優れていると自画自賛したり)▲毛沢東時代のあれこれも古くなったので貴重な記録▲自分の水滸伝知識は、80年代後半の集英社版マンガ中国の歴史だったと思う。いま調べたら。その版は絶版になっている。監修が手塚と陳舜臣だった2020/08/15

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