内容説明
自伝的エッセイ(汽車ごっこ(ダイメント);わたしが愛した列車(エリス));小説(信号手(ディケンズ);乗車券を拝見(D.H.ロレンス);おやすみ、かわいいデイジー(ウェイン) ほか);詩(汽船、高架橋、鉄道(ワーズワース);グレイト・ウェスタン鉄道の夜汽車(ハーディー);汽車の窓から(スティヴンソン) ほか)
目次
20000510
著者等紹介
エリス,カスバート・ハミルトン[Ellis,Cuthbert Hamilton]
(1909-)。オックスフォード大学卒業後、24歳の若さで有名な月刊雑誌『レイルウェイ・マガジン』の副編集長となった。以後多くの鉄道関係の著作があり、数々の新聞・雑誌の編集スタッフを歴任した。本書に収めたのはエッセイ集『わたしが愛した列車』(1947)の冒頭の一篇「さまざまな旅」の全訳である。これを読んでもわかるように、彼は英国の有名な蒸気機関車設計技師の伝記を多く書いている
ダイメント,クリフォード[Dyment,Clifford]
(1914-71)『詩集』を1949年に発表したほか、評論やドキュメンタリー映画などの脚本の執筆を手がけた。『汽車ごっこ』(1962)は一冊本の自叙伝で、本書ではその一部を抄訳した。鉄道車両の木工作業員を父として南ウェイルズに生まれたが、幼いうちに父が第一次世界大戦で戦死したために、母の手ひとつで育てられた。仕事で忙しい母にかまって貰えぬ少年は、病気(おそらく戦傷による性障害)の鉄道員ベルトンの家へよく遊びに行く。ベルトンの妻は夫を放り出して大っぴらに他の男と飛びまわり、恋人とのあいびきに少年を平気で連れて行くほどであった
ディケンズ,チャールズ[Dickens,Charles]
多くの長篇小説が有名だが、独特の味を持つ短篇も注目の価する。「信号手」はディケンズが編集長をしていた週刊雑誌『一年じゅう』の1866年「クリスマス特集号」の中で発表され、後に1868年に単行本『クリスマス物語集』に収録された。超自然的な怪談と解釈することもできるし、不可思議な謎を倫理的に説明した推理短篇小説と解釈することもできる。なお1865年6月9日にディケンズ自身が鉄道事故に遭ったが奇跡的に怪我ひとつしなかった事実がある
トマス,エドワード[Thomas,Edward]
(1878-1917)。いわゆるジョージ王朝詩人の一人、つまり、イギリスの田園風景を、透明な観察眼、平易な言葉で愛情をこめて描いた。しかし彼は、掲載の作品のようなごく短い詩編を150編足らず残したにすぎない。第一次大戦で戦死したからである。詩作品の大半は死後の出版だった。しかし人は、エオドワード・トマスの名を、とくにこの愛すべき「アドルストロップ」の詩によって長く記憶することだろう。アドルストロップという小さな駅についても、数十年前にその路線が廃止されていまは文字通り名前だけになってしまったが、この小さな詩によって長く憶えていることだろう
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ワッピー
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