内容説明
1895年、その1冊がすべてを変えた。―時間とは何か?古今の物語&偉人を総動員して今、挑む。
目次
タイムマシン
世紀末
哲学者とパルプマガジン
古の光
時の門
時間の矢
川、道、迷宮
永遠
時を埋める
時をさかのぼる
パラドックス
時間とは何か
唯一の船
現在とは何か
著者等紹介
グリック,ジェイムズ[グリック,ジェイムズ] [Gleick,James]
1954年、ニューヨーク生まれ。『カオス―新しい科学をつくる』(新潮社)『ニュートンの海―万物の心理を求めて』(NHK出版)がピューリッツァー賞の最終候補作に、『ファインマンさんの愉快な人生』(岩波書店)が全米図書賞の最終候補作になる。『インフォメーション―情報技術の人類史』(新潮社)はニューヨークタイムズのベストセラーに選出された
夏目大[ナツメダイ]
翻訳家。訳書に『ゴビ 僕と125キロを走った、奇跡の犬』『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』(いずれもハーパーコリンズジャパン)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
193
時間とは何か。この本を読めば、それがよくわかる。どうわかるのか。いざ説明しようとすると、途端にわからなくなる。時間とはそういうものである。そんな時間のとらえどころのなさを、そのまま本にしたようなはなしである。ウェルズ『タイムマシン』にアインシュタイン、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』からミンコフスキー空間まで。科学と空想の世界をいったりきたり。人類はどのように時間と付き合い、また過ごしてきたのか。わかったようで、わからない。でもこのうえなく愉しい。さあ時間を忘れてゆっくりと、時間の旅へ出かけよう。2019/03/04
へくとぱすかる
56
5日かかって読了。H・G・ウェルズのアイディアが、いかに独創的であったかは、想像をはるかに上回る。大昔の人々は、現代人のように未来への期待をもたず、記録を濃密に残せる時代になって、初めてそういう志向が生まれたという。タイムトラベルという発想も、やはり時代の産物なのであった。SFとその周辺の文学的な詳説に、哲学・科学のエッセンスを理解しやすく取りまぜた本なので、長時間味わえる価値ある1冊。2018/11/24
Ayumi Katayama
23
挫折。「第八章 永遠」まで。時間に関するあれやこれや。物理学、SF、哲学、神学、詩などなど、誰が何を言ったのかを残らず拾ってきたのかという感じである。物理学的にはほとんど知っていることで、それ以外には興味をそそられない。「永遠」までを読んだのだかここでとどめを刺されたようなものだ。永遠とは「終わりがわからないほど長いこと」なのか。「終わりがないこと」なのか。あるいは「時間に外側があるのか」「神は時間の外側にいるのか」。そういうことはもう、どうでもいいかな。科学的でないのならあまり興味を惹かれないわけで。2020/12/04
medihen
9
「時間とは何か」「タイムトラベルは可能か」。中二・高二・大二、と各年代で仲間と語りあった興奮をいつしか忘れていた。物理学、哲学、文学を渉猟して、その興奮をおじさんの魂に思い出させる力作。SF作家・SF作品への言及が楽しい(ル=グウィンとPKDが同じ高校の同級生という話にびっくり。見たらWikipediaにも書いてあった)。なんだかクラークに冷たくてハインライン推しらしいのが不思議。2019/10/31
y_nagaura
8
400頁以上の大ボリューム。得られるものは「時間」に関する雑学のみ。しかし、何とも豊かな時間でした。 時間とは何であろうか。誰も私に問わなければ、私はそれを知っている。だが、誰か問う人がいて、その人に説明をしようとした時には、私はそれを知らない。(アウグスティヌス)2021/03/28