内容説明
「大きなうそも、声高に叫べば信じられる、といったのはナチの宣伝相だったが、うそをつき続けた彼の、唯一の真理の言葉がこれであった」昨今の“声高な言葉”を安易に信じてしまう危険性を指摘し、本当にわかるということは、どういうことかを考える一冊。オウム、住専、TBS問題…様々な嘘が明らかになった。だまされた側の責任とは。
目次
管理社会の時代は、もう来ているのか
「うそ」が信じられる時代
沈黙に耳を
子供の単純素朴さと独断と偏見
ある奇妙な記事
遅れているのか、だまされているのか?
公平と不人情について
昔とはいつのこと
ことばの役割
著者等紹介
なだいなだ[ナダイナダ]
1929年、東京に生まれる。慶応義塾大学医学部卒業。作家、精神科医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
17
ブックオフにて、かなり昔のちくま文庫です。戸塚ヨットスクール、オウムなど話題は古いけど、内容は今でも古びないで考えるヒントがいっぱいです。80年代にもう管理社会になっていると警鐘をならし、医者としては癌の告知など一般論として「する」「しない」など言える訳が無い。何よりも新聞テレビマスコミの誘導報道、でっち上げには怒りの声を上げています。最後は哲学にまで踏み込みます。2019/03/10
Ribes triste
10
1982年から1984年に書かれたエッセイ。中川一郎や戸塚ヨットスクールなどの昭和の話が出て、回顧気分になる。古い本だが、なださんが語ることの本質は変わらない。なださんの論理展開は、明快で突拍子もなく、それでいてユーモラスで読んでいてホッとさせられる。今のネットに氾濫する情報は真実も嘘も混沌とし、分割して読み解くことがさらに難しくなっている。そしてもう、なださんの新しい本は読めないのだと思うと寂しい。2019/08/09
うちこ
3
1985年のエッセイ集です。このかたのエッセイはどれも昔書かれたものなのに、今読んでもあたらしい。古くないのではなく、あたらしい。 どのエッセイも "気づく人は気づくけれど、気づかないままいければ、それはそれで死ぬまで気づかないならばしあわせ。でも考える体力がなくなってから気づくのはしんどい。だから考える力があるうちに自分の中にいちど落とし込んでみたほうがいいよ" といような、そういう性質のことを書かれているように見えます。2018/06/26
史縁
1
1982年から1984年に雑誌に連載されたエッセイをまとめたもの。 他の新書では問答形式で穏やかな語り口が印象の作者、本書でも文章表現は平易ではあるが、社会に蔓延する嘘や欺瞞への憤りが感じられる。地道に社会を良いものにしようと前進している。 当時作者が懸念していた管理社会やマスメディアにより売れる情報だけを強調して流す情報コントロール、声の大きいものが正義は今も変わっていない。40年以上前だが古びていない。 2025/01/13
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
1
なだいなだの著書を読んだのは初めてである。なだはこの著書で大々的なスローガンへの盲目的服従の危機感を表明しているが、それが実は開かれた世界への不安から生じたマス(公式的な語彙の多用やオーソリティの付与、数)的なコミュニケーションと表裏一体であると言う言及は卓見であると思うし、それへの反抗として肉声やそれを産み出す(弱弱しい)歴史を持つ主体性を常に意識しようと言う発想は、今の社会に於いて尚大事であると思う。文体は軽妙で少し筋を追いづらい嫌いもあったがそれでも面白かった。2021/05/30
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