内容説明
英国の著名な詩人、ルーイスが、若い人々のために書き下ろした、わかりやすい“詩入門”。古今の具体的な詩を例にあげながら、あらゆる詩の型式を示し、そこに宿る“詩精神とは何か”を説き、言葉の持つ不思議な偉大さを語る。1944年に発表されて以来、英本国はもちろんのこと、世界各国でロングセラーを続ける名著の復刊。
目次
1 詩はなんの役にたつのだろう
2 詩のはじまり
3 詩の7ツ道具
一ぺんの詩はどうしてできるのか
5 物語をうたった詩
6 心情・幻想・春夏秋冬
7 目的をもった詩
8 昨日の詩と今日の詩
9 どういうときに詩は詩にならないか
10 詩の味わい方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
33
人は知識が増え、賢くなったと思っても、その賢い知識がゆえに愚かなことをしてしまいます。賢くなると愚かになるのです。なぜそのようなパラドックスがおこるのかを考えるのは哲学に任せましょう(優れた哲学は詩になっていることが多いのではありますが)。この本は、詩には霊性が宿り、人がもっているパラドックスが人生を味わい深いものにしてくれることを知らしめて、どう読めばどう味わえるのかを教えてくれます。英語の詩のみ引用していますが、訳も素晴らしくて、理解を妨げることはありません。名訳であり名著と言っていい本です。2017/03/04
ロビン
15
詩人でオクスフォードの詩学教授でもあったC.D.ルーイスが「詩とはなにか」について年少の読者向けに易しく、語り掛けるように書いた一冊。「詩は何の役に立つのだろう」等、青少年の素朴な疑問に答えるテーマ、また隠喩や直喩、押韻などの詩のテクニックや、諷刺詩や宗教詩、物語詩、抒情詩など詩の種類も具体的な作品を例にして解説され、詩のーただし主としてはイギリスのーいわば教科書といえる本だと思う。「ほんものの詩人」は貧乏も世間の冷淡な仕打ちもおべっかもいっさいおかまいなくじっとこらえ抜いていく、という言葉がいい。2023/12/31
のん@絵本童話専門
2
絵本『フレデリック』解説にて引用されていたこちら。序盤、フレデリックがちらちらと頭に浮かび、面白かったです。古代、体が弱く狩りに参加できなかった人が社会で自分の居場所を作るために詩人は生まれたなど。骨が折れましたが、二度読み要点まとめてようやくあらかた理解できました。詩とはまず楽しむもの、書いてみよう。おあつらえ向きの題材で美しく体裁を整えるのではなく、心の奥から湧き上がってくる熱い感情を乗せよう。詩は様々な感覚を鋭くさせてくれる。すべての経験や感情は人生の糧となると、詩が教えてくれるように感じました。2021/03/06
tsato
2
子供向けに書かれた(らしい)詩の入門書的な本。こういう本は斎藤美奈子『文学的商品学』佐藤亜紀『小説のストラテジー』等、面白い人のものは本当に面白いが、この本も大変面白い。特に「Ⅲ詩の七ツ道具」はこれから詩を読んでいくうえで有益だと思う。とりあえず岩波文庫の英詩は揃えたいな。2012/08/04
コジターレ
1
読メ登録前に読了。