内容説明
漁を営む青年田所修一。近代的カメラ工場に勤める正木美代。この二人に恋をさせ、小説のモデルにしようとたくらむ大島十之助。その策略を二人にバラす大島の妻…。劇中劇風のたくみな構成で贈る恋あり、笑いあり、涙ありのエンターテインメント小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
41
諏訪湖を舞台にした劇中劇スタイルという体裁。近代化に憧れ戸惑う若い男女(田所修一と正木美代)の恋愛模様。それを小説のネタにしようと企む地方小説家(大島十之助)の策略。様々な仕掛けが複雑に巧みに絡み合っている。三島由紀夫が贈る、恋あり、笑いあり、涙ありのエンターテインメント恋愛小説を愉しんだ。2022/10/09
Salsaru
8
「…ひどく親切で、ひどく情に深いのに、自分でもしらずしらず破壊的な言動に出ることがある。」「…女というものはな、頭から信じてしまうか、頭から疑ってかかるか、どっちかしかないものだな。」メモ。ストーリーはともかく、鋭い言葉をちりばめていて、それを出したいために書いてるのかと思えてくる。2014/12/14
myvi
1
実家にあった。田舎の漁民男ときらやかな女工が恋に落ちるというシンプルな話ではあるが、章毎に語り手が変わり、実験作というか面白かった。2022/07/31
hitsuji023
1
物語としては今ひとつ。ただ構成が工夫されていて、そこが面白いところ。2022/03/15
蛸墨雄
0
三島由紀夫のこの手の本は本当に愉快痛快で、どんどんと読みたいと思う。すなわち、新潮文庫以外の作品はとても親しみやすくっていいと思います。2017/02/21
-
- 和書
- Botchan