内容説明
現代は「大洪水の時代」だ。全ての価値は崩壊し流れ去っていった。そしていま、東欧から赤道地帯から、大変革の兆しが見えてきた。この大洪水のなか、音楽家と宗教学者は、箱舟を仕立て地球を観察する大遊覧の旅へ出た。地球的英知を感じるため、日本の代表的な霊地を旅して、現代の思想、宗教、物理学、美術、音楽など幅広く語り合う先鋭的でヴィジュアルな対談集。
目次
第1章 天河(天河大弁財天社)
第2章 戸隠(戸隠神社)
第3章 六本木
第4章 大山(大山阿夫利神社)
第5章 豊川(豊川稲荷)から伊勢(伊勢神宮)
第6章 富士(北口本宮富士浅間神社)
第7章 諏訪(諏訪大社)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kadwaky悠
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細野晴臣がYMO散開後に最初にリリースした12インチシングル「MAKING OF NON STANDARD MUSIC」の付録で付いていた「GLOBULE」なるブックレットの中に、本書の一部らしき文章が掲載されていた。それからほどなくして中沢新一を別方面から知ったわけだが、本書でふたりがぼくの中でようやく繋がった次第だ。ぼくの青年期を精神的にいい意味でブラッシュアップさせ、悪い意味で追い込んだこのふたりの対談本は、だからぼくにとっては個人的なバイブルなのである。2015/09/20
邪馬台国
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時代を感じる一冊。旅本かと思いきや、旅先での思想的な対話がメイン。2016/04/12
quabex
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うかつなことに、2人の対談による物見遊山エッセイのようなものと思っていて、「霊地巡り? 面白そう」というアプローチだったが、予想は外れた。思想書だった。2人の問題意識はほとんど共有できないけれど、関心なくはない分野なので興味深く読んだ。1980年代半ばの細野晴臣の関心や考えていること、それがそのとき作っている音楽とどう関わっているかの片鱗をうかがうことができた。2016/02/08
小林ミノリ
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80年代、YMO散開後、アンビエント方向へ舵をきるための、心の旅、霊地を巡り光を観る。
筑波大学ミステリー研究会
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ミステリーじゃないじゃんシリーズ第五弾です。『音楽機械論』と同時期に刊行されたもので、「散開」したはずなんですけど、フラクタル理論とか、ドラッグからテクノ、サイエンスへの流れ、時代の変わり目みたいな、当時の日本らしさ溢れる内容は共通していると思いました。2012/07/25