内容説明
一貫して戦後疑獄史研究にとり組んできた著者は、ロッキード事件の起こる8年前、日本の汚職の特徴を「構造汚職」と定義し、この言葉を造語した。その著者による、明治以来の日本の汚職の数々をドキュメントタッチで描いた興味津々たる物語。一つ一つの事件を追うことによって、いかに日本の汚職が構造的に成り立っているかを明らかにする力作でもある。
目次
第1章 ワイロで明けた明治の日本(山城屋事件;三谷屋事件;渋沢栄一の仮面―尾去沢銅山官没事件;藤田組疑獄;官有物払下げ事件;三井・三菱の泥仕合―ZAIBATSU誕生)
第2章 正直者が損をする社会(東京市水道涜職事件;教科書疑獄)
第3章 財閥は権力を、軍人はゼニを(日糖疑獄;シーメンス事件;泰平組合問題)
第4章 暗い政治資金の誕生(高松事件;満鉄疑獄;松島遊廊疑獄;金塊事件)
第5章 政友会・民政党買収合戦(京成疑獄;売勲事件;五私鉄疑獄;朝鮮疑獄)
第6章 「非常時」でもふえる汚職(帝人疑獄;国鉄疑獄)
第7章 GHQと戦後疑獄(昭電疑獄;保全経済会事件;造船疑獄)
第8章 構造汚職の軌跡(吹原産業事件の怪;田中金脈事件;ロッキード疑獄;航空機疑惑;撚糸工連汚職)
日本汚職・疑獄年表
感想・レビュー
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- 和書
- 生きることに○×はない