出版社内容情報
多様な人間像と思想像を併せもった人、スピノザ。固有の「精神の運動」を読み解き、倫理学と政治学、聖書批判の相関関係からその思想世界を統一的に描き出す。
内容説明
スピノザは、十七世紀の他の思想家に比し、人間像と思想像において際立つほど多面的に受けとめられてきた。ユダヤ教会からの「破門」によって始まった「思考する実存」としての生。著作や書簡の読解から浮かび上がる固有の「精神の運動」。それらはどのような思想世界を形づくったのか。本書は、従来のイメージにとらわれることなく、スピノザにおける倫理学と政治学、そして聖書批判の内的連関を見定め、その思想を統一的に描き出す。
目次
プロローグ スピノザの独自性
第一章 伝説と実像との間
第二章 生の軌跡
第三章 倫理学―形成と展開
第四章 政治学―形成と展開
第五章 聖書批判の展開
エピローグ スピノザからのメッセージ
著者等紹介
加藤節[カトウタカシ]
1944年、長野県に生まれる。1969年、東京大学法学部卒業。1974年、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は政治学史・政治哲学。成蹊大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
https://claude.ai/public/artifacts/5b5a5a82-a635-4d9f-8643-e8b0eaa8cb3b 2025/06/11
森中信彦
0
スピノザについては、『エチカ』という著書を書いた哲学者として、その名前を知っている程度だったが、ユダヤ協会から破門にされたユダヤ人であることを知り、ユダヤ性から自由になろうとしたユダヤ人としては最初期に生きた人と言えそうなので、このスピノザの解説書から読んでみることにした。 破門の理由は、「魂の不死性とユダヤ教の律法の真実性を否認し、「哲学的な」神しか存在しないと主張した」とのこと。これは彼が23歳のときで、「肺疾患という宿痾に長く苦しんだ末に44歳という若さでその一生を閉じた」という。 (続く)2025/08/22