出版社内容情報
銀行員から市川團十郎になった男の初の評伝。九代目の婿養子で、30歳を前に役者となり市川三升を襲名、死後十代目を追贈された知られざる團十郎の実像に迫る。
内容説明
十代目市川團十郎(本名・堀越福三郎)は、明治の名優・九代目市川團十郎の長女・實子の婿養子。「慶應」を出て銀行員として勤めたが、九代目の死後、三十歳を前に歌舞伎の世界に身を投じ市川三升を襲名。一九五六年に七十五歳で亡くなる近くまで舞台に立ち続け、死後「十代目」を追贈された。これまで経歴に不明点が多く、はっきりと評価もされてこなかった十代目は、果たして「團十郎」の名跡に値しない人物だったのだろうか。「空白の團十郎」の生涯を、家族との関わりとともに描き出す。
目次
第1章 理想の婿
第2章 江戸の守り神
第3章 「文化人」への道
第4章 女役者から女優へ
第5章 役者・三升
第6章 「歌舞伎十八番」の復活
第7章 受け継がれる名跡
著者等紹介
中村雅之[ナカムラマサユキ]
1959年、北海道生まれ。法政大学大学院(日本史学専攻)修士課程修了。明治大学大学院兼任講師。横浜能楽堂芸術監督。幅広く伝統芸能のプロデュースを手掛けると同時に、「芸能社会史」の立場から、芸能と国家・社会について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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