内容説明
一九四五年から平成末までに日本でベストセラーとなった小説、エッセイや実用書、人文書、写真集などをすべて紹介。高度成長、そしてバブル崩壊を経て現在に至るまでの時代背景を踏まえ、書籍登場の事情から売れるまでの経緯、著者の動機や出版社の意図などを解説し、社会の変動や人々の意識変化がどう反映されたのかを多面的に考察する。文化人の動向や出版業界の変遷を長いタイムスパンで叙述する、壮大な日本文化史。
目次
1 戦後二〇世紀(スクラップ・ラッシュから「新体制」へ―戦後・二〇世紀1;ブックス本の隆盛―戦後・二〇世紀2;大競争の時代―戦後・二〇世紀3;テレセラーの確立―戦後・二〇世紀4;多点数化時代のベストセラー―戦後・二〇世紀5)
2 二一世紀(新書ブーム―二一世紀1;ネット社会のなかのベストセラー―二一世紀2;二極化の広がり―二一世紀3;出版の変容とベストセラー―二一世紀4)
著者等紹介
澤村修治[サワムラシュウジ]
1960年東京生まれ、千葉大学人文学部卒業。出版社に勤務し、新書、選書の編集長などを経る。帝京大学文学部非常勤講師(出版史、日本文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
122
おもしろかった、というか勉強になった。1945年から2018年までの期間、日本国内でめちゃくちゃ売れた単行本、新書(文庫やマンガは対象外)を時系列に沿って紹介していきながら、なぜこれらの本は売れたのか、時代とともに売れ筋の本はどう変化したのか、出版社の戦略はどのように変わっていったのかを述べていく一冊。とくに2010年代になってからは2022年現在にまで続くダイレクトな潮流がある。2022/05/12
遊々亭おさる
14
太平洋戦争敗戦後最初のベストセラーである『日米会話手帳』と軍国政治の真相暴露本『旋風二十年』にその後、奇跡の経済成長を成し遂げた日本人の逞しさと節操の無さを見る。ベストセラー本はその当時の大衆が何を求めていたかを知る手掛かりとなる。核家族化が進み古きを脱ぎ捨て新しい価値観にバラ色の未来を見た時代の『観光葬祭入門』は新旧の価値観が渾然一体となった時代だからこそ売れた本。令和では見ることの出来ない現象。アイドルが自らの生い立ちを赤裸々に綴った『蒼い時』は、時代に関係なく山口百恵にしか成し得なかった金字塔本か。2020/09/30
かんがく
8
分厚く、ひたすら年ごとのベストセラーの列挙なので割と流し読み。それぞれの時代の特徴が見えて面白かった。ブックスから新書ブームへ、インターネット普及による雑誌と本の逆転、テレセラーによるタレント本など。2021/02/11
まこ
7
戦後すぐからのベストセラー。70年代辺りからテレビの影響がとてもある。テレビで紹介された、ヒット作と似たようなテーマ、大きな賞を取った。確実な安定性を取っている2022/01/26
Gamemaker_K
6
良い本の定義は人によると思うが、売れる本はどこかが必ず良い本だということを、改めて認識する。良い本と好きな本が一緒になるかどうか、だね。…多湖輝先生の「頭の体操」は、確か15巻くらいまで持ってて、暗記するくらい読んだっけ。最高だったな、このシリーズは。2019/09/18
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