筑摩選書<br> イスラームの論理

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筑摩選書
イスラームの論理

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480016379
  • NDC分類 302.28
  • Cコード C0314

出版社内容情報

神や預言者とは何か。スンナ派とシーア派はどこが違うか。ハラール認証、偶像崇拝の否定、カリフ制、原理主義……。イスラームの第一人者が、深奥を解説する。

中田 考[ナカタ コウ]

内容説明

現代世界が直面しているテロの背景には、やむを得ない実力行使の側面がある。けれど、そもそもイスラームは本当に好戦的なのか。激しい攻撃にさらされてもなお、信仰者を増やし続ける魅力はどこにあるか。イスラームを貧困と暴政に陥れた“真犯人”は誰なのか。日本人がイスラームを理解することはできるのか―。日本人研究者、信仰者としてイスラームを三〇年以上見つめてきた第一人者が、イスラームの深奥を明らかにする。異文化を知ることは、自文化を知ることである。そこに立ち現れる日本の姿とは。

目次

プロローグ 幾重もの「ヴェール」の向こうのイスラームをいかに理解するか
第1章 イスラームと現代世界
第2章 日本とイスラーム
第3章 アッラー
第4章 預言者ムハンマド
第5章 ウンマの歴史
エピローグ 新たな「地平融合」へ向かって

著者等紹介

中田考[ナカタコウ]
1960年岡山県生まれ。イスラーム学者。クルアーン釈義免状、ハナフィー派法学修学免状を持つ日本人ムスリムの第一人者。ムスリム名はハサン。同志社大学客員教授・一神教学際研究センター客員フェロー。東京大学文学部イスラム学科卒業。同人文科学研究科宗教学・宗教史学修士課程修了。カイロ大学文学部哲学科博士課程修了。在サウジアラビア日本大使館専門調査員、山口大学教育学部准教授、日本学術振興会カイロ研究連絡センター所長、同志社大学神学部神学研究科教授、同志社大学一神教学際研究センター幹事などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

49
無自覚にイスラームの論理を語っても我々は近代性の上に生きており、そのイスラーム性は近代に絡め捕られていて、その核心は語りえないという問題意識から本書は構成されています。現代社会におけるイスラームへの先入観をはじめとした雑多な問題を先に論じて、最後に「没価値的歴史」が論じられており、読み易いこれらの章からが入り易いと思います。第3章アッラーの章が本書の核心部分ですが、「超歴史的」に神学的に、意外とモダニズムで書かれています。しかし、すんなりと理解するのは難しそうです。2022/01/22

Koning

31
講談社選書メチエで2001年に出たイスラームのロジックの事実上の第2版。あれからダーイシュによる日本人殺害やら何やらあった中でよりとんがった感じに見えるのは気のせいだろうか。これを読むと橋爪との対談本でよいしょしてるような発言をしたのが信じられないんだけど(笑)。これを最初の一冊にするのは無理があるけれどある程度見てきたら読まないとやっぱり済まない本であるというのは間違いないと思う。2016/07/03

8
おもしろかった。イスラームは現代の欧米中心の世界や価値観への最大の異議申し立て者であるからこそ、敵とみなされ、テロリスト認定されつぶされる…というなかなかすごい話。さすがに言い過ぎな感じはするが、当たっている面は確かにある。最後の中東政治は、やはり難しい。2023/02/28

酩酊石打刑

5
なんとも刺激に満ち、蒙を開かれるような読書を味合わせてもらった。とはいえ、ちゃんと読み込むことができたのは、モチーフ部分である冒頭とエピローグだけのような気がする。本書は「イスラームの理解」ではなく、しっかりと向き合うための「心の備えを与えるもの」との著者の言葉に甘えさせていただくことにする。「神は死んだ」と無邪気に語り、「政教分離原則」なる古色蒼然なる俗言を、信じこんでいた自分への反省をしっかりと心に刻み込んでいきたいと思う。2017/01/31

amanon

5
以前読んだ、著者の別の著書とタイトルが被っているな…と思っていたが、実はその著書の改題版だということを最後になって知った。しかし、物の見事に多少なりとも読んだという記憶は蘇えらなかったが。それだけ、読みが浅かったのと同時にイスラームを巡る事情がややこしいということなのだろうと思う。これまで読んできたイスラーム関係の本と同様、ある程度見えてきたか…と思えるのと同時に、ますます謎が深まった感も否めず。ただ、一般に流布しているイスラームへのイメージがかなり歪曲されたものであるということは再認識できたけれど。2016/07/07

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