出版社内容情報
メソポタミアとインダス両文明は農耕で栄えた。だが二つの文明誕生の影には知られざる非農耕文明が存在した。物流と技術力で繁栄した「交易文明」の正体に迫る。
内容説明
大河の恵みを受け、メソポタミアには人類最古の文明が誕生した。そこは農産物こそ豊富だったが、木材、石材、金属などの必要物資はほとんどなく、すべて遠隔地からの輸入に頼っていた。輸送を担ったのはアラビア湾の海洋民たちである。彼らは湾内に拠点を構え、遠くメソポタミアからイラン、インダス河流域まで出張して取引し、巨富を得ていた。一大交易ネットワークを築き上げた湾岸文明の実態がいま明かされる。考古学の新しい成果に文献史学の知見を援用し、農耕文明を中心とする従来の古代文明論に挑戦する大胆な書。
目次
第1章 メソポタミア文明の最初の隣人たち(メソポタミア人の最初の足跡;文明初期のメソポタミアと隣人たち ほか)
第2章 イラン高原の「ラピスラズリの道」―前三千年紀の交易ネットワーク(トランス・エラム文明;国際的ヒット商品、「古式」クロライト製容器 ほか)
第3章 ウンム・ン=ナール文明―湾岸文明の成立(ウンム・ン=ナール文明の成立から衰退まで;ウンム・ン=ナール文化の墳墓 ほか)
第4章 バールバール文明―湾岸文明の移転(バハレーン砦における都市の成立;ファイラカ島における都市の成立 ほか)
第5章 湾岸文明の衰退(ファイラカにおける考古学的証拠;バハレーンにおける考古学的証拠 ほか)
著者等紹介
後藤健[ゴトウタケシ]
1950年生まれ。東京教育大学卒業、同大学院修士課程修了、筑波大学大学院博士課程中退。古代オリエント博物館研究員、東京国立博物館研究員、同西アジア・エジプト室長、同上席研究員を務め、2011年定年退職。現在同館特任研究員。西アジア考古学専攻、東海大学博士(文学)。中東各地で考古学調査に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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