筑摩叢書<br> 鏡花万華鏡

筑摩叢書
鏡花万華鏡

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784480013651
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

内容説明

金沢に生れた鏡花は、母や町内の娘から草双紙の絵解きや口碑伝説を聞いて育ち、十歳で母を失った。その作品では、郷里の自然は他界に変容し、女性は超自然的な美の理想、深い中心に昇華している。鏡花は犬と雷をこわがり、怪異や幽霊の存在を信じていた。シュールな作家なのだ。著者は特に晩年、鏡花を熟読し、その面白さを折にふれて書き伝えた。単行本未収録、遺稿を含む、そのすべてを収める。

目次

鏡花のこと
「薄紅梅」
人と作品
母恋し夕山桜峰の松(鏡花)
「夫人利生記」と「釈迦八相倭文庫」
鏡花耽読
鏡花余滴
芍薬の歌
『番町夜講』―鏡花の短篇小説
鏡花と能楽
冬夏有雪
鏡花の河童
「白鷺」
「星女郎」
「小春の狐」
鏡花とメリメ
鏡花・万華鏡
鏡花掌篇
鏡花と弁天さま
鏡花の「談話」
鏡花の本
阿修羅と美女
鏡花雑談―一フランス文学者の見た鏡花
異才鏡花

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たーぼー

66
フランス文学翻訳者ゆえの職業病ともいうべきか。鏡花とフランス文学の結びつきが各所で強調され、ときにサント・ブーヴVSプルーストの論戦が現れたり等の脱線がみられるのは御愛嬌。鏡花がメリメの幻想性にインスパイアされたことや、モーパッサンの短編を好意的に評していたことについては思う部分もある。彼らのエッセンスを取り込んだとしても、日本に根ざした妖艶を愚直に醸し出す独自性に鏡花の魅力はあったわけだから。明治以来、写実主義小説が主流の日本にあって、個性的な芸術世界を求めた鏡花。彼を探求するうえでの一級本に間違いなし2017/05/14

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