内容説明
三角縁神獣鏡は魏鏡か?国産鏡か?弥生時代は500年遡るのか?古墳はどんなモノサシで造られたか?弥生時代には製鉄は行われなかったのか?理系の立場から「考古学」へ、基礎データに基づく説得力溢れるアプローチ!図表/データ多数。
目次
第1章 三角縁神獣鏡は魏鏡か(三角縁神獣鏡の論争の歴史;青銅器の産地推定に使われる鉛同位体比法とは ほか)
第2章 炭素十四法によって弥生時代は遡上するか(歴博発表のもたらした衝撃と困惑;炭素十四法による年代測定とは ほか)
第3章 古墳の築造にはどんな尺度が使われたか(百家争鳴の古墳尺度論;遺跡のデータ解析から求めた古韓尺 ほか)
第4章 金属考古学上の諸論争(弥生時代には本当に製鉄が行われていなかったか;古代日本に間接製鉄法があったか ほか)
著者等紹介
新井宏[アライヒロシ]
1937年東京都生まれ。1960年東京工業大学物理卒業。日本金属工業常務取締役を経て、韓国国立慶尚大学招聘教授(2001年~)工学博士。専門は金属考古学・古代計量史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Makoto Yamamoto
11
炭素14同位元素をもって年代が特定できるとのことだったが、実際は結構難易度が高いことが伝わってきた。 海に近い所と離れたところ、資料が少ないと大きなブレがあったり、特定のエリア、年代では誤差が大きいとか。 個人的には理系のアプローチで何か新しい説が出ることを期待していたが、必ずしもそうではなさそうだった。 邪馬台国の場所を特定するような発見があるのかと勝手に期待していたが。。。 少なくとも卑弥呼が魏から賜ったとする三角縁神獣鏡は中国製ではないとの結論は興味深かった。2019/12/29
(ま)
2
三角縁神獣鏡は魏鏡にあらず2019/06/04
Book shelf
2
著者は現在、韓国の大学で招聘教授として活躍する金属を専門とする方であるが、もともとはサラリーマンで、仕事の傍ら、研究を続けていたという経歴の持ち主。どの章も面白かったです。三角縁神獣鏡、年代測定、金属考古学、いずれも日本考古学にとって大きな課題を含んでおり、今後の研究の進展を誰もが待っているという状況ですが、この本書のような指摘は、されてきたのかどうか、考慮するに値する議論なのか。とても興味深いところです。2015/05/31
たぬき
2
理系の視点 理系の視点から見た論争点 理系の視点から見た論争点の結果 三番目が目的であると 読了は早い2012/08/29