内容説明
5~6世紀の朝鮮半島と日本の関係を探る。国際シンポジウムの記録。
目次
「〈シンポジウム〉伽耶はなぜほろんだか」に寄せて
6世紀の朝鮮三国と伽耶と倭
朝鮮諸国の古代国家形成
大伽耶連盟の成立と展開
ヤマト王権と伽耶諸国
伽耶諸国の領域をめぐって
倭と伽耶の文物交流
考古学より見た伽耶
討論 伽耶はなぜほろんだか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
3
倭の五王の5世紀と対隋唐外交の本格化する7世紀との間にあって、6世紀の倭の外交は半島に焦点を絞って展開される。中でも半島南端の一角を占める伽耶は任那とも呼ばれ、『日本書紀』に記されるように当時の日本が任那日本府を置いたとの理解が専らだった。しかし、その後の研究や議論の中でそのような解釈は斥けられる。では伽耶とは何か?その消長はどのようなものであったか?考古学、文献史学の専門家が高度で難解な議論を戦わせる。ただ、倭の五王の官号に見えるように形式的にせよ任那は一国であり、矮小化して捉えていいかの懸念も感じた。2023/01/07
bapaksejahtera
1
散読ながら朝鮮半島古代史における伽耶の特殊性と他「韓」諸国との連関性を概ね了解。倭との関係についてもあるイメージを持ち得た。ただしこの本の刊行から20年が経過している。此の間の知見についてもいずれ知りたい。2019/10/27