内容説明
本書は、『星の王子さま』をどう読むかという問題に限定せず、『星の王子さま』を題材とした性格心理学の書、として読んでいただいてもよい。作者サン=テグジュペリのエピソードにもページを費やした。作者についてはよく知らずに童話だけを読んでいる読者も多いであろうが、サン=テグジュペリの人生を知れば、感銘はさらに大きくなろう。幾度も死の危険をくぐり抜けたその生きざまは見事なものであるし、死にざまもまた鮮烈である。たぶん、文学者の死に方が人々にこれほど衝撃を与えたのは、他には三島由紀夫ぐらいなものであろう。
目次
第1章 『星の王子さま』とサン=テグジュペリの生涯
第2章 永遠の少年か、中心気質者か
第3章 中心気質者の対人関係
第4章 王子さまの心豊かさとニブさ
第5章 『戦う操縦士』とトランスパーソナル心理学
第6章 中心気質者は社会とどのように関わっているか
第7章 『星の王子さま』と反ナルシシズム
第8章 サン=テグジュペリはなぜ王子さまを死なせたか
第9章 大量消費社会とサン=テグジュペリの死
終章 『星の王子さま』と私
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hikarunoir
8
表題書読解には批判書「永遠の少年」と併読すべき、やっと納得の一冊。他にもドストエフスキーと癲癇の関連等、作家らの人格へ深みを持ち対峙できる。2021/03/22
fonfon
5
サンテクジュペリの詳細な評伝とともに、安永浩の提唱した「中心気質」をわかりやすく解き明かしつつ、矢幡氏じしんの自己解放の過程を物語る。とても喚起力の強い内容だった。中心気質の友人のことがアタマから離れなくなってしまった。ただ、文学書ではないのだからこだわってはいけないのだろうが、私には、この文体にはどうも馴染めなくて困った。不純物が多すぎます濾過してくださいって思ってしまったのはなぜ??矢幡さん自身書き直したいと思っておられたらよいのに。。ああーごめんなさい!2011/07/07
ポカホンタス
5
中心気質について語るためには本書は無視できない。安永浩自身、本書から影響を受け、中心気質の治療的側面について考察を広げている。1冊まるまる中心気質についてのわかりやすい解説になっている。貴重な文献だがすでに古書でしか入手できないのが悲しい。2010/05/24
Chisa
1
星の王子さまから考える性格心理学。中心気質者って楽しそう。2016/04/26
飛架
1
棚にあるのをふらっと手にとったものでしたが、かなり興味深いものでした2011/05/17
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