内容説明
戦後最大の思想家吉本隆明の頂峻をなす著作『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『心的現象論序説』に一貫して通底する視点とは何か。―この三部作に真正面から挑み、人間の観念領域は対自然、対自己、対他者の三つの契機によって重層化されて構成されたものとの原理的視座から読み解く俊英の力作620枚。
目次
表出する人間―『言語にとって美とはなにか』解読の試み(言語の発生と進化;詩、物語、劇の流れの中で)
自然から意識へ―『共同幻想論』解読の試み(禁制と幻想の発生;死と共同幻想;性と生誕;矛盾の不能化について)
心的なものの行方―『心的現象論序説』解読の試み(思想的起点;反復される疎外;心的構成;心的なものと現実的なもの;想像力を求めて)