出版社内容情報
上司に反対意見を述べた忍城攻め、情報戦を制した賤ヶ岳の合戦、真田家との密な交友、趣味の鷹狩り、長期戦を画策していた関ヶ原の合戦など、史実を明らかにすべく石田三成本人の書状を読み解く知的興奮の書!
内容説明
忍城攻めで水攻めに反対し、賎ヶ岳合戦で情報戦の一翼を担い、朝鮮の役では確かな戦略眼を発揮…。一次史料である石田三成本人の書状を読み解くと、そこには通説とは異なったの姿が見えてくる。三成は何を夢見て、何と戦おうとしたのか。書状を時系列で紹介することで、一戦国人の生き方を追う本格評伝。
目次
仕官―最古の記名書状―賎ヶ岳合戦
邂逅―若き日の直江兼続との出会い
葛藤―忍城水攻めで上司に反対意見
苦悩―朝鮮の役後を予見した連署状
理想―加増辞退、佐和山に留まる旨
治世―公正さを求めて―領民宛掟書
趣味―鷹狩マニアとして―中納言宛
交友―立場を越えた友情―真田信幸宛
決別―家康を弾劾―内府ちがひの条々
死闘―三成決起す―直後の真田昌幸宛
危機―岐阜城陥落、大垣から関ケ原へ
最期―辞世「残紅葉」
著者等紹介
中井俊一郎[ナカイシュンイチロウ]
インターネット上での三成ファンの集い「オンライン三成会」代表幹事。本業は宇宙開発エンジニア(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なつきネコ@人間に化けてます
5
丁寧に書かれ、相手への敬意を忘れない三成の手紙に彼の人間性が見えてくる。気が利かない仏頂面の三成のイメージ像が崩れてしまう。鷹狩を熱く語る三成の姿が微笑ましい。真田信之とはお互いの宿を私事で訪れるほど。真田昌幸な手紙で信之を豆州、幸村を佐衛門尉殿との呼び方に友情の差異が見えるな。信之は父と弟と友人を失ったんだな。しかし、関ヶ原以前に家康派、前田派、毛利派の派閥争いがあり、三成は秩序と公平性を求めていた。前に三成が家康の加賀攻めに加わっていたり、輝元が四国などを征服しているのは初めて知った。2017/07/10
さくら餅
4
石田三成の書状を分析し人物像を考察した一冊。よく創作物では三成を冷たい人物として描かれているのを目にします。が、彼が書く書状は細かく説明に過ぎるが、己の考えを相手に伝える努力をし、相手へ敬意を払っています。また領民宛掟書には領主として原理原則を貫く様子が窺え、三成は真面目で素直な人物なのだと思いました。真田信之と交わした書状が微笑ましい。敵方である三成の書状を捨てずに手元に置いておくほど、信之は三成の友情を大切にしていたのだと思うと胸が締め付けられます。三成が好きな方にはオススメの一冊でした。2017/07/28
ゆう
2
手紙という客観的な資料に基づいているため、信憑性が高く感じた。三成が真田信之と親交があったのは意外だった。2015/02/07
go725
2
現存している数少ない石田三成が記した書を丁寧に読み解き、彼の持つ人となりを具現化した素晴らしい書籍であった。これを読まずして、石田三成を語るべからずである。2013/02/07
ゆみゆみ
2
三成が徳川家臣の真田信之と親しかったのには驚いた。とかく悪者にされがちな三成だけれど、自分も今まで誤解していたけれど意外と人間味あふれる人であることが書状から伝わってくる。2015/01/12
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