出版社内容情報
ポケモンやラップなどを題材にしたユニークな研究で知られる言語学者が、日常をフリースタイルで言語学的に思考する科学エッセイ。
内容説明
異端の言語学者、ことばを武器に、あらゆるリングに上がる。
目次
第1章 思い出編―若くて大胆だったころの私
第2章 家族編―言語学者家族の日常
第3章 ガチ研究紹介編―現在進行形で気になるあれこれ
第4章 挑戦編―音以外にも魅力がいっぱいの言語学
第5章 雑談編―研究者ならではの裏話
第6章 お悩み編―私は世の中のお役に立てますか?
著者等紹介
川原繁人[カワハラシゲト]
1980年東京生まれ。1998年、国際基督教大学入学。2000年にカリフォルニア大学サンタクルーズ校に交換留学。同大学言語学科、名誉卒業生(2011年)。2001年、マサチューセッツ大学言語学科大学院に受験することなく合格内定をもらい、2002年に入学。2007年、同大学院より博士号取得(言語学)。卒業後、ラトガーズ大学にて教鞭を執りながら、音声研究所を立ち上げる。2013年より慶應義塾大学言語文化研究所に移籍。現在、教授。専門は音声学、音韻論、一般言語学。複数の国際雑誌の編集責任者を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
82
分類804。言語学者のお仕事本。メイド喫茶フィールドワークや、プリキュアの名前研究やポケモンの進化名の研究などオタク心をくすぐる研究を真面目に(?)されている著者が、多少ぼやきつつも愉快に語る研究紹介本。音声学が専門で、発音についての蘊蓄が多いが分かりやすく親しみやすい。雑談も面白い、エルデシュ・ベーコン値。言語学者の偉人伝説。「研究は役に立ってなんぼ」病を発症中だとか。2022年刊2023/02/14
ま
40
外国語を日本語で表す時の母音の足し方。「Bach」「Gogh」も末尾同音なのに前者はバッ「ハ」、後者はゴッ「ホ」。その音の前の母音に引っ張られるというからくりらしい。普段無意識に操ってる法則が意識下にさらけ出された時の感覚がたまらん。言語学面白い。2022/10/11
サアベドラ
33
陽キャでパリピで妻子ラブな音声学者がこれまでの研究や日々考えていること、気になっていることなどを軽い口調でエッセイ風に書いた音声学入門書。2022年刊。日本語ラップ、プリキュア、メイドカフェのメイド名、ポケモンの進化名など、およそ真面目な言語学の本には出て来ない題材がこれでもかと出てくる。言語を学ぶ者として、日常のあらゆるものごとを言語に絡めて思考する癖がついてしまうのは大いに共感できるところではある。妙なことを研究している音声学者がいることは知っていたが、ここまで破天荒な人だとは思わなかった。おすすめ。2022/07/22
ふう
27
感覚的には自明のこと、なんて言ったら失礼だが、言語学、音声学をちょっとは齧った人間なので、軽く楽しんだ。オマケのように巻末に紹介された、ALSサポートやコロナ禍での言語学の有用性についてはさらに理解を深めたい。2024/09/26
原玉幸子
24
ビジュアル言語を前面に押し出した体裁と口語文体が苦手な私には、「やっぱり言語学はチョムスキーやフロムキンやろ。プリキュアもメイドカフェもポケモンも止めてくれ~」と、最初は「いつ放り出すかは時間の問題」でしたが、後半以降は、たぬきじるの「連濁」に思い付いた「みそしるはどうやねん」が暫く頭から離れなかったことや、統計・分析手法の高度な専門性を別にすれば、著者の音声への拘りは面白い内容で、更にALS患者のサポートとLGBTQ+への言動等を読むと気分が高揚しました。いい本と評して良いでしょう。(◎2022年・冬)2022/11/05
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