内容説明
人はなぜ苦しむのか―。執着を捨てたとき、人は生きながら極楽にいけます。「色即是空 空即是色」に込められた本当のブッダの教えを読み解く。
目次
『般若心経』
『超訳 般若心経』
執着しない生き方が『般若心経』―前書き
第1章 仏像を拝んで救われるのか
第2章 妄想・煩悩はなくせるのか
第3章 目の前の苦しみとどう向き合うか
第4章 死の恐怖とどう向き合うか
第5章 なぜ人は夢に惑わされるのか
第6章 この世の全ては「そらごと」か
極楽地獄は「心」の中で生まれる―後書き
著者等紹介
松原哲明[マツバラテツミョウ]
禅僧。1939年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。(株)ブリヂストン退職後、三島龍沢寺僧堂にて修行。1974年、早稲田大学大学院文学研究科東洋哲学修士課程修了。臨済宗妙心寺派龍源寺住職、龍翔院住職、仏母寺住職、日月庵坐禅堂主幹、日本キルギス科学技術文化センター理事長などを務め、2010年遷化。ほんとうの禅の心を分かりやすく説くために数多くの執筆や講演を行う。NHK『こころの時代』で「般若心経」の講師を1年間務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クリボー2
0
筆者の人生と照らし合わせながら禅の真髄?根幹部分を分かりやすく解説した本。いい年の取り方をした人だなあと思いました。語ることに深みを感じる。2013/04/26
うみゆり
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著者の遺作で自伝的な一冊。大きな寺の跡取りとしての重圧と格闘しながら、一生涯かけて般若心経の真髄を理解していく過程に迫力があって、自分に引きつけて理解しやすい。信心は自分の内側、信仰は自分の外側を信じる姿勢であり、仏教のなかで禅の宗派のみが信心を説いている。仏教ははじめに経典学習ありきではなく、まず座禅から入るべき。ムー、クーの腹式呼吸をしながら、向上で内面を空にし(色即是空/無生)、向下で清濁あわせ呑んで森羅万象を住まわせる(空即是色/無住)。般若心経は物事に固定的実態はなく現象に過ぎないと説いている。2011/01/24