内容説明
「面白れぇ謎に行き当たったら、首を突っ込んでみたくなるんだよ」―江戸っ子の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の主は、真っ直ぐな気性と人情と口の悪さで知られる江戸娘。「無い物はない」うえに知恵も力も貸してくれると評判の店の暖簾を、今日も訳ありのお客がくぐる―。借りた釣り竿を持たずに毎日釣りに出かける男の目的は?大火鉢と夜具十組が運び込まれた仕舞屋に集う者たちの正体は?お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第四弾!
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。2014年、「風の王国」シリーズで歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
71
シリーズ第4弾。江戸のレンタルショップの店主・お庸。普通の貸し物屋ならば借りたいものを貸して一応終わりってことなんだけど、お庸の店の場合は少しでも借主に不審な点が見つかれば追跡して見極めるという徹底主義。ま、そこには彼女なりの好奇心てものが大いに作用しているんだろうけど。女の生霊が憑りついた櫛を子供が拾って恐怖におののく夜の話。髪結い道具を借りに来た男が道具を一切使っていない。そこには父親の愛が隠されていた。一番好みの話は火の用心のための拍子木を借りに来た男。途中、アッと言わせる展開。こういうの好き。2024/04/26
真理そら
51
お庸ちゃんが大人っぽくなってしまってなんだか寂しい。湊屋両国出店の経営も軌道に乗って、陰間組も元気だし、松之助とも相変わらずだし…でも清五郎への気持ちが無邪気なものから大人っぽいものに変わってしまった。『割れた鼈甲櫛』、母は強しですね。今回も大盗賊が登場して賑やかに終わった。綾太郎は相変わらず可愛いい。2024/02/15
kei302
38
貸し物屋お庸シリーズ第4弾。お庸も多少の分別が付いてきた感じ。「髪結いの亭主」「割れた鼈甲櫛」「六尺の釣り竿」「火の用心さっしゃりやしょう」「凶刃と大火鉢」の5話。火の用心夜廻りの老人の話と釣り竿の旦那の話が面白かった。うっかり忘れてたけど、常連メンバーは元盗賊とか訳あり過去持ちだった。大火鉢を運び込んだ家の中を見たお庸が鋭い観察眼を発揮して湊屋の面々と事件を未然に防ぐ最終話は大がかりで楽しめた。2024/03/15
ぽろん
31
久しぶりのないものはない貸し物屋お庸シリーズ。お年頃になったせいか、ちょっとおとなしめ。でも、安定の面白さでした。2024/04/25
ごへいもち
13
今回はなんだかイマイチ魅力に欠け2024/03/17