出版社内容情報
極上の甘味と人情に涙こぼれる珠玉の時代小説!江戸の菓子屋を舞台に描かれる、極上の甘味と人情とままならぬ恋。兄弟の絆と人々の温かさに涙零れる珠玉の時代小説、待望の第二弾!
内容説明
光太郎と孝次郎の兄弟が営む菓子屋「二幸堂」。如才なく得意先を開拓する美男の兄と、不器用だが才ある弟の作る菓子は、江戸深川にしっかりと根を下ろしはじめた―。王子のせせらぎのような水羊羹「壬」、生姜の風味爽やかな「夕凪」、香ばしさと舌触りが絶妙な粟饅頭「日向」、瑞兆を映す祝い菓子「冬虹」…。―孝次郎の作るとびきりの菓子が、縁を言祝ぎ、幸いを呼ぶ―。江戸の菓子屋を舞台に描かれる、極上の甘味と人情と、ままならぬ恋。兄弟の絆と人々の温かさに涙零れる珠玉の時代小説、待望の第二弾!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。現在はカナダBC州にて銀行員を務める。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第四回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
72
今回も美味しそうなお菓子が月ごとに登場。見た人皆が褒め讃えてるので見た目も綺麗なんだろうな。現代のように氷があって、冷蔵も可能だと悩みも少なだろうけど、江戸時代は試行錯誤もハンパじゃなかったんだろうと思う。ただ、水が良ければ美味しいお菓子が作れることは同じなのかな。で、今作の光太郎と考次郎はと言えばお互い好きな女性になかなか打ち明けられないもどかしさ。ええいっ、いらいらする、早く言いなさいよ!と思わず言いたくなる。でも、小太郎の可愛さに免じて許そう。お菓子の冬虹は見たい、食べたい!2019/06/13
ぶんこ
64
面白かったです。性格は真反対ですが仲良しの兄弟が営む和菓子屋。創意工夫が楽しそうで、全部食べたくなってしまいます。こんなに詳しく描かれているという事は実物があるのでしょうか。最後に売っている所の紹介があると嬉しいのですが。孝次郎さんの暁音さんへの思いは中々成就しそうもありません。暁音さんの孝次郎さんへの気遣いが原因なのでしょうが、ここはがらっぱちの七さんがどうにかしてくれないかな、なんて。モテまくりの光太郎さんは遂に思いが叶って葉さんと夫婦となれました。痛い思いをした小太郎ちゃんのおかげ。良かった。2019/12/26
真理そら
63
落雁よ~し、豆大福よ~し、とお菓子食べたい攻撃に備えて読み始めたのに、今回は光太郎&考次郎のまどろっこしい恋の展開や「草笛屋」絡みのゴタゴタに集中して読書する結果になった。弟だけでなく美男の兄も恋には意外に不器用。とにかく一組はまとまって良かった良かった。2019/05/11
kouya
52
シリーズ2作目。1話目「水無月の壬」が好き。草笛屋を追い出された八郎と太吉が、孝次郎を頼って二幸堂に。一緒に菓子作りが出来ればいいのにと思ったが、作者の意図は別のところにあって「その方がいい」と自分も納得出来た。兄弟のうち一人の恋は成就。3巻で全て丸く収まるのか楽しみ。2025/01/19
天の川
50
二幸堂に関わる登場人物の誰もが、自分のことは横に置いて相手を思いやる人たちばかりで、そこが心地よくもじれったい。そして、そんな人々が、逡巡しながらも幸せになっていくのを見るのは心浮き立つものだ。次の巻では孝次郎がハードルを乗り越えてくれるのかしら?そして、知野さんの描く男の子はいつも健気♡八郎・太吉、小太郎、彦一郎、みんな可愛い。2020/07/10