出版社内容情報
「見えないかい?月明かりの中の狐の舞が・・・」江戸の本屋を舞台に戯作者=作家が怪異を解決! 謎解きと人情に心躍る痛快時代小説
平谷 美樹[ヒラヤ ヨシキ]
著・文・その他
内容説明
「見えないかい?月明かりの中の妖しく美しい狐の舞が…」時は文政。ある雨の日、江戸の本屋・草紙屋薬楽堂に持ち込まれたありふれた人情噺の裏には、禍々しくも哀れな狐憑きの噂が―。推当物を得意とする女戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念、武家の女・只野真葛、高名な父を持つ女絵師・葛飾応為ことお栄は、切ない出口なしの物語を「一番の結び」に導く大芝居を計画するが…。江戸の本屋を舞台に戯作者=作家が謎を解く!謎と人情、嘘と本心、運命に抗う決意と逡巡―戯作者=作家が謎を解く大人気時代小説シリーズ、待望の第四弾!書き下ろし時代小説。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。2014年、歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
53
シリーズ第4巻。この巻は、「結末のつけ方」がテーマかなと感じた。「加賀屋河童騒動」では、金魚、真葛、おけいのトリオが大活躍。おけいに会った真葛と金魚のやりとり「おそらく金魚もこんな子供だったんだろうねぇ」「こんなに酷くはなかったよ」には笑った。「薬楽堂天手古舞」は、薬楽堂が募集した<素人戯作試合>の顛末。金魚がめずらしく押し当てをはずして悔しがる話。葛飾応威、萩尼とまたもや気の強い女性が登場。次々と新たな人物が加わって飽きさせない。河童の詫び状、狐憑き、浅草紙(再生紙)、写本や稀覯本の蘊蓄が面白かった。2022/05/18
タイ子
51
シリーズ第4弾。今回は戯作者金魚(きんとと)の元に女絵師、葛飾北斎の娘お栄が登場して何だか華やか。金魚を師と仰ぎ末は戯作者を夢見る8歳のこましゃくれた娘おけいの河童騒動が子供心のいじらしさを見せてくれたと思いきや、商家の娘の恋愛を親が反対、座敷牢に閉じ込められた娘は狐憑きに。持ち込まれる諸問題を推理と度胸と仲間たちの助けで解決していく金魚。無念との仲がつかず離れずでやきもきさせるが、これはこれでいいのか。真葛さんの江戸へのまたのお越しをお待ちしております。2018/11/06
ポチ
47
おけいちゃんに葛飾応為、真葛婆ぁの妹、の登場で影が薄くなった男性陣。始末の結末がいいですね(^^)2022/06/18
ぽろん
43
シリーズ4作目。金魚と無念の仲の良さが実に自然で心地よい。なんと8歳のおけいちゃんパワーには笑ってしまった。そして、今回只野真葛が実在の人物という事に初めて気づいて、びっくり。(気づくのが遅いよ、私)女性大活躍です。次巻も楽しみ!2019/10/27
はにこ
31
金魚に真葛にけいちゃん、年齢がバラバラな3人組が可愛いね。そこにお栄さんまで加入してさらにパワーアップ!色々あった新人賞を通して戯作者の葛藤みたいなものが伝わってきた。きっと今の小説家もあるのだろうなぁ。面白い物語を世の中に送り出してくれている小説家に感謝。2021/12/05