出版社内容情報
切るべきなのは病巣でなく人間関係!
神田川病院の桐ヶ谷キワミ医師は三回の離婚で人生を考え直し、趣味を謳歌しながらアルバイトとして働いている。
ある日、外来を訪れた七十代の患者・熊野佐奈枝は、女性医師が担当でないと嫌だと言う。「いい歳をして自意識過剰だ」と鼻で笑う部長に“時代遅れ”だと反論するキワミ。部長から譲り受けた聴診器を使うと、佐奈枝の体調不良の意外な原因が明らかに・・・・・・!?
裕福なネイルサロン経営者、夫の両親が建てた家で家事のサポートも受けて暮らす会社員。人から羨まれるような人生を送る女性たちの“見えざる不調”の理由とは。大反響「病棟」シリーズ第四弾。
【編集担当からのおすすめ情報】
”心の声”がきこえる不思議な聴診器を通して明らかになる、女性たちの悩みとは?
他人からは理解してもらえない”生きづらさ”に寄り添い、自分らしく生きるためのヒントをくれる一冊です。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
138
病棟シリーズの第4弾!「重度の男性アレルギー」向かいに住む大塚家の夫との関係。大塚の子供でさえ匙を投げるのだ。亡くなってホッとしたと言う娘の言葉は正味だろう。なかなかそうはならない親を抱えてる人も多いよね、きっと。「寄生虫」わぁ、わぁ、こんな家族はごめんだ。まさしく家族という名の寄生虫。何もかも吸い取られる前に決断して良かったよ。「慈悲的差別被害者病」周りからは恵まれてると見えても、結婚してから気付く地獄があった。そこから抜けだすために実家の親の力を借りる静歌。この三話目が一番不安。次はどんな病棟だろう。2025/11/03
おしゃべりメガネ
94
シリーズ第4弾になります。不思議な聴診器により、患者の色んな悩みを聞き取りし対処していきます。シリーズ各々、登場人物も主人公も異なるので、関連性はあまり気にせず読んでも問題ないかなと。本作に割りと共通するのは、主人公となる患者それぞれの良くも悪くも思い込みが不調の要因かと思われます。良かれと思って言わなかった、聞かなかったコトをタイミングを逸し、そのままにしているコトで様々な不調を生み出してしまいます。自分に正直になる難しさや、支えとなってくれる人々のありがたみをさりげなく教えてくれるステキな作品でした。2025/12/09
sayuri
49
『後悔病棟』『希望病棟』『懲役病棟』に続くシリーズ第四弾。「女三界に家なし」「寄生虫」「思いやり家族」の三話収録。前作未読でも問題なく楽しめる。物語の舞台は神田川病院。今回も不調を訴える三人の女性が救いを求め外来を訪れる。近所に住むセクハラ男性に悩む70代の熊野佐奈枝。仕事で成功を収めたばかりに家族に寄生される山口真澄。思いやりの裏側に隠された夫家族の本性に打ちのめされる江藤静歌。心の声が聴こえる不思議な聴診器で明らかになる彼女達の葛藤に同情を禁じ得ない。読後はしがらみからの解放に胸がスッキリ。絶縁万歳。2025/12/10
ぼっちゃん
49
病棟シリーズ第4弾。今回は検査をしても別に悪いところはないが体調がすぐれない3人の話で、不思議な聴診器で診るとどの人も人間関係の悩みが。他人と人間関係を切るのはまだ容易いが、第2章の寄生虫のような親兄姉が一番厄介そうだ。解説にあったが、「私は私」という境界線が大事なのだろうな。2025/10/15
みんとあめ
40
「病棟」シリーズ4作目。今作の医師は思ったことを全部口に出し、何でも白黒はっきりさせようとする桐ヶ谷キワミ。癖強?な医者と心の声が聴こえる聴診器との相性の良いこと。三人の患者の絶縁話。どれもムカムカ、時にゾッとし、切なくなった。解説が深い。人との繋がり・思いやりは大切だけど、自分の心の声に耳を傾けることは必須。残念ながら善意を巧妙に搾取する人は存在し、自分の態度がそれを増長させるってのが辛い。精神的に自立すること、良き関係を築く上で大事だなと思った。このシリーズは面白くて為になる。続くといいな。2025/11/23
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