出版社内容情報
日本警察史上最大の不祥事! ヤクザとの癒着、拳銃の密売、覚醒剤の使用…映画「日本で一番悪い奴ら」、衝撃のノンフィクション!
内容説明
二〇〇二年七月、北海道で現職警察官が逮捕された。階級は警部、逮捕容疑は覚醒剤使用だった。その後、覚醒剤密売と拳銃不法所持まで発覚。それは北海道警察を舞台にした日本警察史上、最大の不祥事が幕を開けた瞬間だった…。「黒い警部」は、なぜ醜い欲望に溺れたのか。あまりにもスキャンダラスな事件の真相と核心、道警の闇を暴く衝撃のノンフィクション!
目次
第1章 黒い警部の逮捕(S(スパイ)と呼ばれた男
決行された自爆テロ ほか)
第2章 果てしない欲望(化けものとなった敏腕刑事;「きっと生まれ変わるから許してほしい」 ほか)
第3章 獄中からの手紙(「すべては自業自得、というものでしょうか」;不自然な自殺 ほか)
第4章 葬られた真相(「表沙汰になったら大変だ、わかるな?」;「犯罪行為はすべて、個人の資質によるもの」 ほか)
第5章 瓦解した組織(日本で最も腐敗した警察;北海道における負の歴史 ほか)
著者等紹介
織川隆[オリカワタカシ]
1976年、兵庫県に生まれる。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、ジャーナリストに。主に週刊誌や月刊誌で記事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うろん
13
腐っているのは北海道警察だけなんだろうか。もちろん北海道警察の殆どの警察官や職員はきちんと真面目に働いてると思うし、一部の人だけが不正に手を染めたのだと信じたい。北海道警の不正経理の問題を皮切りに他の県警でも同様の事が行われていたと報道された。その後きちんと自浄作用が働いてそういう事はもうなくなったのだろうか。信じたいけれど信じ切れない、今は正直そういう気持ちです。2017/05/07
yuzyuz_k
11
''恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白”と合わせて比べながら読んだ方がよいと思います。発行時期は違いますが、事件を本人と他人視線で読めて、ズレと違いを見る事ができます。どちらが正しいかは、単純には、わかりはしませんが。2016/10/17
Yuzu
7
え?これ本当に日本の警察の話?と思った第一印象。ノルマ達成のために銃器を警察が自作自演で隠して取得する。現職の警察官が強盗事件に関わり、薬物と銃の密売。そして使用。組織ぐるみで行われていた不祥事を隠蔽しようとする組織。関係者の手記と公判記録を記していく書き方で事実関係に斬り込んでいく。明日、映画公開。2016/06/24
のんびり
6
実績重視だった警察でどんどんと成績をあげた稲葉が裏ではやらせ捜査を行い。けん銃の密輸覚せい剤の密輸をやり、さらに自身も覚せい剤に溺れていく。警察の協力者だったS(スパイ)の渡邊の告発によって表に出てきた事件。ここでは語られていない事はまだたくさんあるのだろう。自己保身のために部下の悪事をいさめもせず放置その結果、より大きな十字架を背負うことになった道警。でもこれって氷山の一角なのでは?稲葉が悪いのは当然だが、組織がそれを隠蔽。恐ろしい話です2017/02/19
読者
5
古井戸の闇、その奥底の汚泥まで見てしまった、そんな思いにかられる書だ。2002年7月、北海道警は、元道警銃器対策室幹部の稲葉圭昭警部を覚せい剤使用容疑で逮捕する。きっかけは長年、稲葉に警察用語で言うS(スパイ)として使われてきた男が自ら覚醒剤を所持して逮捕されるという自爆行為からだった。これが現職警部の拳銃密売、覚醒剤売買という道警を巻き込む一大不祥事の発端であった。稲葉のSだった男も、対策室で稲葉の直属の上司だった警視もその後、自殺とされる死を遂げる。 2016/04/14