出版社内容情報
突然のガン宣告。ベルトコンベアーのように進む巨大病院の治療システム。だが果たして、それはあなたに最適の医療なのか?
内容説明
患者にできるのは、「医者と病院を選ぶこと」だけ。後悔しない治療法に辿り着くには―。
目次
第1章 罹患
第2章 東大病院918号室
第3章 逃亡
第4章 がんセンター5A病棟
第5章 疑念
第6章 大転換
第7章 再々検査
第8章 最後の夜
著者等紹介
金田信一郎[カネダシンイチロウ]
ジャーナリスト。1967年東京都生まれ。「日経ビジネス」記者・ニューヨーク特派員、日本経済新聞編集委員を経て2019年に独立、会員誌「Voice of Souls」を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
93
ステージ3の食道がんで、手術をしないという選択をしたジャーナリストの闘病記。がんを診断され、最初は東大病院に入院。そこでは、医師からの詳しい病状の説明はなく、患者の主体性は置き去りにされていた。そのままベルトコンベアに乗ってしまえば、抗がん剤→手術へと流されていく。この状況で手術を受けるわけにはいかないと不信感が募り、セカンドオピニオンを受けてこの病院に見切りをつける。彼の行動は、「医師と病院に任せきりにしない。自分の病気と治療法を理解し、運命は自分で決めていく」ということであった。→2021/12/09
Hidetada Harada
8
週刊東洋経済で「ヤバい会社列伝」を連載中の金田さん。その人となりを知りたくて、最初に選んだのが本作でした。病院・医療界という強者に、がん患者という弱者の立場から一石を投じるという、まさにジャーナリズムを体現した作品。「食道がんステージ3」という重いテーマを軽快なタッチで表現。おもしろかった。2023/11/18
さとる@パクチー
1
食道がんステージ3になった執念の闘病ルポ。東大病院に不審感(説明足りない・会ってもくれない・喉にもがんあるかもしれない)→千葉柏の葉のがんセンターに転院→手術直前に放射線治療に転換(肉体労働に近い記者仕事に復帰する為)→抗がん剤しながら1ヶ月連続放射線を当てる→生検はOKになる、食道がん手術は片肺を潰し肋骨折る8時間以上の大手術、著者のようにツテや患者仲間からの情報収集・努力で治療選択できるのは稀(田舎には病院の選択肢ない)、東大はベルトコンベア式の治療、「患者にできるのは病院と医者を選ぶことしかない」2023/11/16
CH3COOH
1
がん発覚から治療までの経過がとても丁寧に書かれている。筆者の職業柄、いろいろなつてがあったのは幸運だと思う。様々な選択肢がある中、納得のいく治療法を選択できたのも幸いだ。ただし、治療法が納得いくことと、治療が上手くいくことは別問題なのが難しい。また、筆者の病状や、関東在住という住環境等が、選択肢を複数もたらせてくれる要因となっており、そうではない患者も沢山いることと思う。しかし、様々な状況の患者がいる中、確実に一つの参考になる書籍となるだろう。2023/01/12
ふじひろ
1
この作者と同じ食道ガンになり、色々情報を検索していく中でこの本を見つけました。自分はステージ1で手術と化学放射能治療のどちらか選ぶように言われています。でもこれはどちらもステージ1での標準治療になっている中での選択。 作者は標準治療に外れた道を選択している所は凄いな、勇気がいると思います。 「自分が治療選択する」には非常に同感します。結果として悪い方に行く可能性はあるけれど(後悔はすると思うけど)、その時に医者とか他人に恨みを持って生きたくないから。2022/10/15