出版社内容情報
「地方創生」が謳われて久しいが、経済の停滞・少子高齢化の渦中にある多くの地方自治体は将来展望を描けずにいる。本書は、文化芸術の創造性こそが「地方創生」の鍵であるとし、大分経済同友会が実地調査をした国内の芸術祭と海外の創造都市の先進事例を通して、実効性が高いアートプロジェクトの手法を紹介する。
目次
第1章 芸術祭と創造都市(創造性のたいせつさ;流行する芸術祭;湯の町別府で芸術祭「混浴温泉世界」;創造都市の世界的な展開;県都大分を創造都市に)
第2章 同時多発する大分県内の芸術祭(竹田の城下町でアートとまちあるき「TAKETA ART CULTURE」;歩いて旅する芸術祭「国東半島芸術祭」;トイレが舞台の世界を例にみない芸術祭「おおいたトイレンナーレ」;ジャズが似合う商店街「府内五番街まちなかJAZZ」;アートを柱に観光誘客「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」)
第3章 「創造県おおいた」の始動(「創造県おおいた」を大分県の戦略に;大分県版クリエイティブ産業の創出;クリエイティブな食文化の振興;アートによる社会包摂の試み;クリエイティブ人材の育成)
第4章 「創造県おおいた」の将来展望(転換するわが国の文化政策;国民文化祭とそのレガシー;「創造県おおいた」のバージョンアップ;おわりに;補論 アートプロジェクトの経営と評価)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
龍國竣/リュウゴク
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国東半島芸術祭をはじめ、アートに力を入れている「創造県おおいた」の思想を読み解く上で欠かせない本。大分県が文化芸術やクリエイティブを重視する中で、主体として動くアートNPO、BEPPU PROJECTと、その背後にある大分経済同友会の提言について、これまでの活動を振り返りながら、視察の報告を合わせつつ、今後の展望に言及します。序盤シンギュラリティについて語り始めたのには驚いたものの、これまでの記録を網羅し、他の芸術祭、地方都市の動きを整理しつつまとめています。観光政策の中で食文化が肝であると語っています。2020/10/30
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