内容説明
税務署の調査でもここまでやるのか!小さな違和感から端緒をつかみ、徹底した調査で脱税者を追いつめる。元統括国税調査官が明かす、特別調査部門の実力。
目次
プロローグ 花形調査部門トクチョウ
第1章 簿外取引と裏金づくり 美術商―展示会と借名口座を悪用した巧妙な“裏取引”
第2章 売上除外とつまみ申告 弁護士―“正義の味方”があきれる仲間ぐるみの税金逃れ
第3章 架空給与と営業権譲渡 司法書士―妻娘への“給与払い”で税負担を軽くした悪知恵
第4章 ダミー申告と影のオーナー デリヘル―偽装の店舗譲渡、なぜか同級生の女経営者たち
第5章 現況調査と愛人勘定 獣医師―去勢手術のからくり、階下に“特殊関係人”を囲う
著者等紹介
上田二郎[ウエダジロウ]
1964年生まれ。東京都出身。83年、東京国税局採用。千葉県内及び東京都内の税務署勤務を経て、88年に東京国税局査察部に配属。その後、2年間の税務署勤務があるものの、2007年に千葉県内の税務署の統括国税調査官として配属されるまでの合計17年間を、マルサの内偵調査部門で勤務した。09年、妻の実家を継承するために東京国税局を退職したが、縁あって再び税理士として税務の世界につながっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sachi
1
実際の調査現場について経験された話が詳細で、とても面白かった。仕事柄、税務調査に立ち会うことが多く、書かれているとおり調査官の有能さって眼を見張るものがあり、調査官って本当に大変だと思う。しかし、能力にもバラつきがあるのも確か。ただ、やっぱり不正はバレるものよね。真面目にちゃんと申告するのが一番賢いなと改めて思う。2017/03/27
septiembre
1
6つの脱税の話。まるでドラマのような内容ではあるが地道な捜査や規定などもあって調査官がたいへんな仕事だとわかった。常にどんな脱税方法があるのか考えてしまう癖というのがついてしまうのには脱税者と調査官のいたちごっこが窺える。2013/03/27
mushoku2006
1
確定申告がらみや人事異動のからみで、 税務署には一定のワーク・スケジュールがあり、 それを巧みに突いて、 脱税をしようと試みている事案が興味深かった。 悪巧みをする奴の中には、 そんなことまで考えているのも居るんだなあ・・・・・・と。 国家財政を少しはマシにするため、 と言うより、納税の公平性を維持するため、 税務署の方々には頑張ってもらいたいものです。 2013/02/09
しぇるぱ
1
この本の正しい名前は[国税局直轄 トクチョウ特別調査部門の事件簿-脱税をどう見抜き、暴くのか]トクチョウとは何か、マルサは国税局所属ですが、税務署の[特別調査部門]のことです。一般人には、自営業者の申告、普通の会社の法人税・消費税、個人の確定申告、このあたりしか税務署と接点がありません。ここにあるのは、美術商、弁護士、司法書士、デリヘル、獣医師。業界が特殊で、一般人とは接点が違う世界の脱税です。 したがって、脱税の教科書にしようとしても、それは無理です。著書に、[マルサの視界国税局査察部の内偵調査]がある2013/01/17
Ayaka Yamamoto
0
読み物として、おもしろかった。スイスイ読めた。