内容説明
消費税だけでは30%近い税率でも財政再建できない!デフレスパイラル論はまったくの間違い。インフレこそが最も過酷な税である。厚生年金は2033年頃に破綻する。1ドル=60円台後半も不思議ではない。教育こそ最も重要な成長戦略。俗説を次々とくつがえす!野口教授の最新日本経済論。
目次
第1章 「デフレが停滞の原因」という邪教から目覚めよう
第2章 いまこそ必要なデフレの経済学
第3章 破滅への道を突き進む日本の財政
第4章 厚生年金は破綻する
第5章 消費税増税による財政再建は可能か
第6章 為替レートは何によって変動するか
第7章 日本が進むべきは高度知識産業
著者等紹介
野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に、『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『土地の経済学』(日本経済新聞社、1989年、東京海上各務財団優秀図書賞、不動産学会賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2023/12/01
えちぜんや よーた
1
個人的には厚生年金に関する部分を何回も読みました。本書を読んで社会保険について熱心に勉強することをあきらめました、もちろん良い意味で。賦課方式の年金が、少子高齢化という要因だけではなく、ミクロ経済学の観点から、制度疲弊をしていることがよく分かりました。2010/10/30
yuya
1
面白いが、無理な議論も多い気がする。2011/07/03
koguma
1
「俗説を廃し近代経済学のフレームワークを使って現在の日本の問題を捉えると」という点ではよくまとまっているのでは?ただ、議論するうえで何かを仮定しないと始まらないのはわかるけれど、実質金利は一定である、とか均衡状態を暗黙のうちに過程した議論は、やはり近代であって現代ではないんじゃないかな?また、脱工業化、特に金融業を中心とした経済はレバレッジをあげることによる資本効率の追求につながるけれど、これが不均衡点を生み出すことは金融界の状況が示している。全体として後半の提言部分は説得力に欠けるのが残念。2011/05/02
Sato1219
1
書かれていることの大半は、かなり以前から、著者をはじめとする経済学者が主張してきたことと同じに思う。思えば、大学生だったバブル時代、既得権益層がいかに国全体を蝕むかとか、床屋政談で話した記憶がある。それほど人口に膾炙された事柄でもあったのにどうしてそれらの主張を踏まえた対応をとれなかったのだろう。滅に向けた新しい現実がいよいよ突きつけられているということか。JALの破綻と公的年金の問題が似ている、なるほど。今後の希望や展望を述べている部分もあるのだが、全体の読後感としては、むしろ諦念に苛まれる。2010/11/11
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