内容説明
自然と一体のみずみずしさ、母につつみこまれる優しさ。それが、新川和江の詩の世界!表題作「名づけられた葉」は教科書や合唱歌で全国の中学生に親しまれています。
目次
モンゴルの子ども歌1
モンゴルの子ども歌2
帰りそびれた つばめ
ゆきがふる
夏の光がかがやいているうちに
元旦のツル
冬の海辺で
飛ぶ
飛ばずにはいられない
ハトよわたしも〔ほか〕
著者等紹介
新川和江[シンカワカズエ]
茨城県生まれ。詩人。1960年「中学一年コース」(学研)に連載した「季節の花詩集」で小学館文学賞、1965年『ローマの秋・その他』(思潮社)で室生犀星賞、1987年『ひきわり麦抄』(花神社)で現代詩人賞、『星のおしごと』(大日本図書)で第22回日本童謡賞、『はたはたと頁がめくれ…』(花神社)などにより第37回藤村記念歴程賞、『いつもどこかで』(大日本図書)で第47回産経児童出版文化賞JR賞を受賞するなど現代詩の分野で多大な評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
90
ふとしたときに、新川さんの言葉に触れたくなる。核心に触れるわけではない。絶望を癒す目的でもない。決して、そういうことではないのだ。言葉には表現できなくて、でも、頭の中のざわざわとした感覚を整理したくなったときに読んでいるような気がする。赤ちゃん、女の子、お母さん、ヤギ、ツバメ、ライチョウ…。その他にも花や木や虫なんかも出てくる。一見すると、関連性のないものと思えるものが、新川さんの手にかかると、すべてが同じで関連性がある物語のように感じるようになってしまう。不思議だけれども、必然で絶対性のある世界。2015/08/31
扉のこちら側
72
2016年206冊め。20年近く前になるがコーラスの伴奏を依頼され、「なんと素晴らしい詩なんだ」と思いながら弾いたのがこの本収録の「名づけられた葉」。(なお同じ詩に複数の作曲家がそれぞれ別の曲を書いているので、同名の合唱曲はおそらく3曲ある。)最近それを知ってこちらをずっと読みたかった。「田の神さま」「億光年のかなた」「骨も帰ってこんかった」等も印象的。2016/03/23
siori
4
絵本を見ている感じの詩、子供の思いや自然への気持ちが懐かしく心温まる。2014/12/26
yumicomachi
3
教科書で読んだ「私を束ねないで」が好きだったが、その詩しか知らなかった詩人の訃報にこの夏接して、詩集を手にした。子どもたちや植物、動物に心を寄せ、ときには子どもの視点で綴られる詩篇は、優しく包容力がある。タイトルの一部になっている「名づけられた葉」には「私を束ねないで」と同じくらい胸を打たれた。【〈前略〉わたしも/いちまいの葉にすぎないけれど/〈中略〉/誰のまねでもない/葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を/〈中略〉/名づけられた葉なのだから 考えなければならない/どんなに風がつよくとも】2011年初版刊行。2024/10/18
Tonex
2
帯に《表題作「名づけられた葉」は教科書や合唱歌で全国の中学生に親しまれています》と書いてあった。YouTubeで検索して聞いてみた。2013/07/27