感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
56
あまりに悲しい。椋 鳩十さんの家で飼われていている犬のマヤは、人懐っこくて利口な犬。猫や鶏といっしょに家族皆から愛され穏やかに暮らしていた。だが、戦争が始まると食糧事情が悪化。飼い犬を処分せよとの通達が来る…。必死に抵抗する椋さん一家を、軍人ばかりか近所の人たちまで非難する姿が恐ろしい。戦争とはここまで人を変えてしまうのか。息子の形見の犬を泣く泣く処分する近所のおばあさんの姿も悲しい。ラストのマヤは…本当につらい。2021/05/03
佐藤一臣
23
人間の都合で生死を決められてしまう動物たち。戦争時代に犬を飼うことは贅沢と思われていたのですね。それは単なる贅沢ではなくて、戦争で死んでいく兵隊への敬意がないということと同義なんですね。戦争って何なんでしょうか。いまだに世界では戦争が行なわれていますが、人を殺すことで獲得できるモノ・金・人。全てをコントロール出来る力を手にいれたいのでしょうか。ペット動物ですら傷つけてはいけないものや程度というものを知っているのに。2017/07/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
椋鳩十さんの家ではニワトリとネコとイヌを育ててました。犬の名前はマヤ。マヤが大きくなった頃戦争が激しくなり、イヌに食べ物をやる余裕がないから殺せ!と命令が下されました。役人は椋さんの留守中に二人の子どもにマヤの首に縄をかけさせ連れていってしまいます。その夜息も絶え絶えに家まで戻ってきたマヤは椋さんの家で息を引き取りました。 『司書と先生がつくる学校図書館』より5年生向け。【第13回児童福祉文化奨励賞】2018/10/01
まるりー
13
読売KODOMO新聞 本屋さんイチオシの100冊 #100 娘の教科書に違うお話しが載っている椋鳩十さん。読み終えて、戦争を憎く思った。子供が読んでも、前半の平和と幸せな日々に、温かい気持ちになるだろう。ペットを飼っている人にとって、ペットは今も昔も家族の一員なんだなあ。戦争という時代背景のなか、大切な「家族」の命は理不尽な理由で奪われる。命を守ろうとする愛、戦争のむごさを優しく教えてくれる1冊。2016/04/23
absinthe@読み聞かせメーター
9
小3の娘。ひとりよみ。すごく感動した!2019/07/30
-
- 和書
- コロナに翻弄された家