感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「人間は、わざと意識して、みずからにとって不利益なことを望む場合がある。なぜならば、合理的なことよりほか欲求してはならないという義務に拘束されないために…このような観点から、ドストエフスキーは、人間存在と歴史が、まさにこうした非合理的な意志ー野蛮な恣意、狂気にまで達する空想ーを自己確認するものと見た。世界史の過程は、ヘーゲル主義者が説くような客観的な意味ももたなければ、なんらの目的論的な進歩も存在しないのである。人類の歴史は、理性の勝利にむかって進歩向上するのではない。」2024/01/01