出版社内容情報
雑誌『ひまわり』『それいゆ』掲載の村岡花子のコラムを再編集。現代に通じる心美しく生きるヒントが詰まった一冊。
内容説明
選び合った親友たちはいつも互いに磨き合う気持ちで、悪いところは直し合ってゆく愛情が必要です。―「友情をめぐりて」より。最後のためにこそ最初があるという一貫した人生への愛着を私はいだいている。―「若さをどう考えたらいいか?」より。雑誌『それいゆ』『ひまわり』掲載随筆の集大成。
目次
1 美しい心を育む
2 近しい人とのあいだがら
3 豊かな心を養う読書
4 書評・今月の読書から
5 暮らしの整え方
6 年の終わりと始めに
著者等紹介
村岡花子[ムラオカハナコ]
1893年(明治26)~1968年(昭和43)。山梨県甲府市生まれ。東洋英和女学校卒業。歌人、佐佐木信綱主宰の竹柏会所属。山梨英和女学校の英語教師、銀座・教文館の編集者を経て、児童文学の創作や英米文学の翻訳の道に進む。少女雑誌、婦人誌でも評論家として活躍。戦前にはJOAKラジオ番組「子供の新聞」を担当し、ラジオのおばさんとしても親しまれた
中原淳一[ナカハラジュンイチ]
1913年(大正2)~1983年(昭和58)。昭和初期、少女雑誌『少女の友』の人気画家として一世を風靡。戦後1年目の1946年、独自の女性誌『それいゆ』を創刊、続いて『ひまわり』『ジュニアそれいゆ』などを発刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
40
「赤毛のアン」と「丘の家のジェーン」は、私の少女時代の愛読書でした。 アンのシリーズに関しては、母親になったアンの頃から、ちょっとした違和感を持つようになっていたので、その点に関しての村岡さんの言葉があるかと期待したのですが、無かったですね。 最も印象に残ったのが、「ひまわり」という少女向けの雑誌の文章にしては、難しかった事。 昔の子供の方が賢かったのでしょうか。 また言葉の美しさ、日本語の素晴らしさも実感しました。 一つだけ共感出来なかったのが、車中での読書に関して。 村岡さんは反対のようでした。 2015/01/12
九月猫
27
戦後すぐに発刊された若い女性や少女のための雑誌「それいゆ」と「ひまわり」に花子さんが書いてらしたエッセイ。タイトルのまま、美しく生きるために大切なことがぎゅぎゅぎゅーっと詰まっている。男女の平等についての考え方(男女の区別無く何でもできなければ、ではなく、互いの特性を生かす・ただ「人」としては等しくある)や、新しいもの(外国のもの)と旧いもの(日本のもの)とのバランスの取り方についてなどにはおおいに共感。時代感や少々お説教じみた文もあるけれど、花子さんの愛情深さが先に立つ。中原淳一さんの絵も愛らしく素敵。2014/11/30
さっちゃん
20
中原淳一の少女雑誌「ひまわり」と女性「それいゆ」に寄せた村岡花子のエッセイである。私が娘に望むのは清く正しく美しくであるが、正にそれを示す教科書のような本。「心が美しくあるには強くなければいけない」「こだわりをもつのではなくいたわりをもつこと」そして「読後に自分がすっと引き上げられたと感じる本を読む」こと。これが昭和20年代に刊行された雑誌の中の言葉である。今の少女向け雑誌のなんと低俗なことよ。2015/07/16
あんとわねっと
18
美しい心とは強い心であり、またこまやかな心である。心を強くすること、やさしくすること、どちらも読書によってなしうるところである。 美しいものを毎日一つ見つけること、これも素敵だった。2023/08/12
Mayu
17
中原淳一さんの装丁に惹かれて。このお二人は一緒にお仕事されていたんだと初めて知りました。松田瓊子さんの著作の紹介などもあり、嬉しかったです。全体的には本当に胸をうたれ、感銘する部分が八割以上ある反面、どうも共感できない、嫌悪感を感じる部分が一部あり(著者と私の生きている時代の違いが大きな原因だと思いますが)、これはアンブックスを読んでいる時の気持ちと同様だなぁと。とはいえ、この本に出会えて良かったと思う気持ちに変わりはなく、美しい言葉で若い女性たちへの愛情を持って語られる提案にとても励まされました。2017/02/19