感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
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ドイツの哲学者カントの流れをくむ「真・善・美」の価値体系を根本から覆し、「真なるもの」すなわち「真理」は認識の対象であって決して価値ではないものを明らかにした内容。/著者(牧口)が新たに樹立した価値体系は「美・利・善」。なかでも価値の最大・最高なるものを「大善」に置いている。/著者は価値とは、人間の生命と対象との関係性のなかで創造されるものであるという説いた。さらに、人間生活の目的は「幸福の追求」であり、すべては価値の創造、獲得ほかならないと述べている。2019/12/05
wiki
10
改めて読む。牧口原著ではあるものの、弟子たる戸田が補訂を行ったもので、教育論的な観点での執筆内容から、生活全般、ひいては宗教の役割に至るまでの展開として、至極理性的に検討している形になっている。前半は難解に思うところもある(サッと読むだけでは愚鈍な私の頭では理解できない)が、特に後半は生活実践的にこの美利善の価値論を説明しており、大変にわかりやすい。膨大な虚実ないまぜの情報に接する現代人は、特に「認識と評価」について血肉とすべきで、これは直前に読んだ佐藤優氏がよく言う"内在的論理を知る努力"と親和的だ。2022/10/15
wiki
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「現代の社会における最大の弊害は目的観の不確立にある。」「人生の目的は幸福の追求にあると断定する。」「幸福にも無数の段階序列がある。故に価値を最大限に創造獲得した生活が人生の最高の目的である。」本当にそうだ。小さな目的観であればあるほど達成しても虚しさが残る。若い間に働いて稼いで、中年や老後になって虚無感に包まれている人もいれば、ただの「諦め」を「悟った」などと表現して既に虚無を感じている若者もいる。真面目に自分の人生を如何に生きるべきかを考えている人ほど、この問題に直面していると思う。2016/04/28
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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梅原猛いわく①、創価学会の思想的研究にあたって、まず押さえなければならないのは、牧口常三郎の「価値論」と戸田城聖の「生命論」だというので、取り敢えず、『価値論』から読む。が、この本、読んでみると意外に難しいので、ほぼ唯一(?)と思われる牧口研究の泰斗、斎藤正二②の著作―差し当たり『若き牧口常三郎』と『牧口常三郎の思想』―を読んでから、『人生地理学』と一緒に読み返してみることにする。新カント派の勉強をしなければどうにもならないし、それはこの時代の思想のバックボーンを考える意味でも有意義だと思われるので。2015/11/03
ななめ
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突っ込みどころ満載2012/09/01