出版社内容情報
〈名物裂と古代更紗の名品、一挙掲載!〉〈世界に例を見ない日本における古裂鑑賞の文化を紹介〉
鎌倉時代から室町時代に舶来した金襴・緞子・間道などの上質な絹織物は、権力者の装いや唐物絵画、名物茶入を飾り、江戸時代になると固有名称を付けて「名物裂」として鑑賞されるようになりました。そして「名物裂」や「古代更紗」の小さな裂片を集めた「裂手鑑」が作られたり、「名物裂」の文様意匠は様々な工芸品に取り入れられるほか、当時の出版物にも掲載されるほどの人気を博しました。その古裂ブームの一端は今日まで伝わっています。本書は、2024年10月22日から12月1日まで五島美術館で開催される特別展の公式図録であり、現代も続く古裂鑑賞の諸相を紹介します。
内容説明
江戸時代に作られた美麗な舶来織物を集めた大名家の「裂手鑑」をはじめ、名物茶入と「仕覆」、「名物裂」で表装された唐物絵画、豪商の「裂〓笥」、茶道具に付属する「古渡り更紗」などを掲載。世界に例を見ない日本の古裂鑑賞の文化とそれを創り出した舶来染織の影響を紹介します。
目次
1 伝承のはじまり―舶来染織とその需要(法衣・芸能装束;墨跡の表具;唐絵と渡来織物 ほか)
2 古裂鑑賞の世界(大名家・公家の手鑑;近現代の手鑑鑑賞;裂〓笥と解き袋 ほか)
研究ノート(金襴をまとう絵画;青花磁器と金襴にみられる花唐草文;古染付と舶来染織の文様 ほか)
資料編