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内容説明
ポール・ジャクレー(1896‐1960)は、パリに生まれ、3歳のときに家族とともに移り住んだ日本で生涯を過ごしたフランス人画家です。彼は、日本の伝統的な浮世絵版画の手法にもとづいた多色木版画を数多く制作しました。ジャクレーの色鮮やかな木版画は、日本やアメリカの版画愛好家の間で高い人気を博してきました。このたび、外国人浮世絵師に焦点を当て、展覧会や調査を行ってきた横浜美術館が、ジャクレーの日本で初めてとなる総合的な回顧展を開催することとなりました。本書はこの展覧会を記念して刊行されるものです。
目次
1 世界風俗版画集
2 ミクロネシアの島々
3 日本
4 朝鮮、中国
5 資料
論文 虹色の夢をつむいだフランス人浮世絵師ポール・ジャクレー(猿渡紀代子)
ポール・ジャクレー最後の浮世絵師(クリスチャン・ポラック)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴロチビ
5
こんな浮世絵師が居たなんて。全く知らない名前、しかもフランス人。昨年の馬頭広重美術館の展示会にたまたま行くことが出来た。魅せられてしまったが図録も画集も無く、以来ネットで探していたが見つけたのはこれだけ。プレミアがついてたが、老い先短いから…と購入する。凝りに凝った中国シリーズよりも初期の南の島の作品が好きだ。チャモロの女達の服の柄や風合いが素敵だなぁと思っていたら、構図や技巧に歌麿を意識しているとか。 何故か女達よりも半裸の少年や青年の姿にエロチックな魅力を感じる。そこで勝手に若礼=ゲイ説を唱えている。2020/02/22
tohoho
1
パリに生まれ、3歳で来日。洋画を黒田清輝の白馬会、日本画を池田輝方に学び、義太夫までもこなすという浮世絵師。病弱だったということもあり、毎年冬場は日本の委任統治領であったミクロネシアの島々や朝鮮・中国を訪ね、166点の木版画を制作(うち日本26点)、700点をこえる水彩画を残す。背景に真珠の粉を散りばめる等、斬新な作品も残し、新しい着想・技法を求めている。2023/03/30
蘇芳
1
この人まったくご存知ありませんでした。戦時中の日本で外国の浮世絵師がいたのが驚き。西洋の立体的な塗りを排した、デッサンを強く魅せる人体は日本画の今あるべき形なんだろうなあ。年を重ねるに連れて洗練されていく線も惚れ惚れしちゃう。いい本に出会えました。2014/11/25