出版社内容情報
先史時代から現在まで行われてきた「食人」。タブーに満ちたこの行為の真相に、多数の図版と貴重な資料・証言をもとに鋭く迫る。
先史時代から現在まで、戦い・復讐・裁き・儀礼、そして愛の場面において行われてきた「食人」。タブーに満ちたこの行為の真相に、多数の図版と貴重な資料・証言をもとに鋭く迫る。2001年刊行の普及版。
内容説明
戦い・復讐・裁き・儀礼、そして愛の場面で。人が人を食う歴史・実態・効用に迫る衝撃の書。未公開図版130点余。
目次
胃の記憶
食人の起源
なぜ人食い人種は人を食べるのか?
人食い人種たちの食人風習
人食い人種の慣例的料理
食糧としての食人
復讐のための食人
神々と信者たちの食人
悪魔とその使徒たちの食人
食人療法
食人犯たちのリスト
産業化・組織化された食人 21世紀の食糧難に対する答え
著者等紹介
モネスティエ,マルタン[モネスティエ,マルタン] [Monestier,Martin]
ジャーナリスト、作家。著作はさまざまな言語に翻訳されている
大塚宏子[オオツカヒロコ]
学習院大学文学部フランス文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みずほ
2
★★★★☆ 十数年寝かせていた積読本をやっと消化。キワモノ本が好きなので怖いもの見たさで購入したがマジでキワモノだった。風習や宗教儀式や性癖での食人は別として、飢餓や極限状態での食人は悲しい。アジアの中でも日本は食人文化は幸いないが、パリ人肉殺人の佐川氏は唯一取り上げられていた。やはり有名人なのか。人口増加で将来的には食人が世界を救う…みたいな結論はちょっと笑ってしまう(映画「ソイレントグリーン」の世界)。この手の本には普通は巻末に膨大な出典が示されているが、全くないので話半分で読んだ方がよさそう2025/07/07
りょんりょん
2
文化であり食料であり儀式に使用される供物であり最高級の食材であり究極の愛を体現する手段であり……人間史とは切っても切り離せない食人という行為について大変勉強になりました。面白いと思ったのは、同族食いを野蛮で愚かでおぞましい下賎な行為だとして食人文化がある民族を糾弾したヨーロッパ人たちが同時代に死体を用いて作られた薬を好んで服用していたということ。食人の歴史はそのまま植民地支配の歴史でもあったんだなと。2017/01/30