感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
政治が宗教化したと言うよりも大衆が雪崩をうって政治に埋没していった経緯を説く。「ティリッヒとユングによると、キリスト教の衰退の跡に残された精神的な虚無感は、政治的イデオロギーに執着することによって埋められているという。これをユングは、宗教として機能する「政治的ー社会的妄想体系」と名づけている。両者は、こうした体系が救済を与える代償として要求する、個人の集団への埋没を良しとしない。彼らは、個々人が宗教そのものの本質を再発見するよう求め、これこそキリスト教を含めたあらゆる宗教が再生するための条件であるとする」2021/06/22
okazukineko
1
ユングと神学者ティリッヒの比較本。思ったよりもユングが神学的概念に踏み込んでいたのは驚きでした。内容としては、三位一体論比較のあたりは面白かったけど、他はなんとなく違和感。プシケーの自律性の保持者としての聖霊の働きをどの心的役割に帰すかの問題でおそらく両者に差があると思うのだけど、そこんとこ書いてなかったなぁ。ティリッヒの実存主義的な不安・勇気・決断といった概念にもあんま触れられず。勉強になったけど、ちょっと不完全燃焼、、、2013/04/30




