出版社内容情報
西嶋佑太郎[ニシジマユウタロウ]
著・文・その他
内容説明
医学用語の「不思議」を漢字からひもとく。
目次
第1章 漢字をつかった医学用語の略史(漢方医学の用語;西洋医学の翻訳;明治時代 ほか)
第2章 先人たちの試行錯誤(生薬を一字で表す方法;田代三喜の奇妙な生薬名;文字も独特な安藤昌益 ほか)
第3章 現代医学用語の生い立ち(膵臓を表す文字の候補;「腺」を表す文字の候補;「腟」「膣」はどのように使われ始めたか ほか)
著者等紹介
西嶋佑太郎[ニシジマユウタロウ]
1991年、愛知県生まれ。京都大学医学部医学科卒業。現在、京都府内で精神科医として勤務するかたわら、日本漢字学会、日本医史学会などに所属し研究活動を行う。著書に『医学用語の考え方、使い方』(中外医学社)。「日本語医学用語の読みの多様性と標準化―「楔」字を例に―」(『漢字文化研究』第5号)で第9回漢検漢字文化研究奨励賞最優秀賞および平成27年度京都大学総長賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
9
医学関連の漢字、漢語に関する本だが、漢字や擬似漢字の造字原理、漢字廃止論、翻訳論など、医学を離れて漢字・漢語全般に関わる議論としても通用するというか、医学関連のものを取っかかりにそうしたことを考えるきっかけになる内容。個人的に眼科医の間で読みやすさや近視の予防を図るために漢字の簡略化(提示された略字に中国の簡体字と同様のものもある)、漢字の表音化が議論されていたというのが面白かった。2022/09/28
mawaji
5
殆ど医学用語にしか使われることのないような漢字の由来や来歴を深く探求する著者の知的好奇心はとても貴重で尊いように思います。「膵」という漢字が使われるようになるまでの先人たちの悪戦苦闘に思いを馳せ、「腺」という字に落ち着くまではかなくも消えていった候補にいとおしさを感じられる著者でなければなし得なかった一冊でしょう。「癌」と「がん」の使い分けについては特別な議論もなく、なし崩し的に決まったようにも思われモヤモヤしていたのですが、これはやはり言葉の専門家も交えて再考を促したほうがよいのではないかと思いました。2024/04/08
takao
1
ふむ2023/11/20
totoroemon
0
医学用語は特殊だと思ってましたが歴史も特殊ですね2024/05/16